オールド弓でバッハ無伴奏〜楽器や曲の導くままに

土曜・日曜は東京にてレッスン。8コマ+5コマと土曜は大盛況、日曜は比較的余裕の日程になりました。ご利用&お越し頂いた皆さま有難うございました。今週はかなり頑張りました(なぜか月末はお越しの方が多くなりがちなのです)。

金曜日午前中には車庫(アルファロメオ=ヘビちゃんの穴)の徹底掃除も。車が無い時でないとなかなかできないことで、ホースが無いのでバケツに水をくんでブラシとタワシで一生懸命掃除。すごくきれいになりました^^。でも、すだれを1週間ほど巻き上げたままでいたらカビだらけになっていてショック・・・。

いろいろゴチャゴチャですが床や壁がとてもきれいになりました

良いオールド楽器とオールド弓とをお持ちのいつもお越しの方。人の側が無理に作ろうとせず弓の導くままにバッハの無伴奏ソナタをレッスンにて弾いて頂いた。するとおのずからピリオド楽器による演奏のようになったし、厚みのある音にもなった。この音ならヴァイオリン一本の無伴奏でも音楽として成り立つ。

演奏というものをどう捉えるか。人間が作り上げるショーと考えることもできるが(それはそれで面白い)、私は曲の命ずるまま楽器の命ずるままの演奏の方が神様の音楽に近づけるようで深い感動が得られるように思える。

例えば比較的初歩段階でも弾くヘンデルのソナタ。盛り上がりたい箇所は楽器が響くように曲が書かれているし、曲自体も飽きさせず面白く聴けるように巧みに構成されている。ヴァイオリンの特性をヘンデルは熟知していただろうし、その面白さが分かる人が聴き手だったのだろう。
※ヘンデルのソナタは番号によっては偽作の疑いありだが、器楽を熟知した人の作曲であることは確かだ。

楽器が生み出す音楽性を過小評価して、奏法の研究だけで無理にこしらえたバロック演奏は私には不自然なものと思う。道具に作品が依存することは音楽だけでなく様々な分野で言えることのはずだ(建築はその最たるものと思う。そして建築は強度計算の結果の意匠で、ある意味最も高度な芸術だ)。

適切に調整されたバロック仕様のままのスタイナーとトルテ以前の上質なバロック弓(どういう製作者がいたか私は知らない)を弾くことが私の夢のひとつでもある。きっと何か分かることがあるだろう。

音量の大きさだけならモダンの方が鳴るかもしれませんが
特有の立体感と厚みのある音楽世界はオールド楽器だけの世界です

わたしは大して弾けるわけではありませんが
ギターもオールド楽器ならではの音楽があるように思えます