電気自動車Honda eで近所を散歩

月曜日はレッスンは一日中お休み。休みの時間は自宅の片付けやら掃除やら5月分の帳簿づけやら。

今年の正月にホンダのカーシェアリングのeverygoに会員登録していた。引っ越しやらアルファロメオを買ったりやらで利用していなかったが、車を修理に出した機会にホンダの電気自動車Honda eを体験してみることにした。電気自動車は日産リーフで体験済みだが、昨年末に発売されたHonda eは一歩時代の先取り感があり興味があった。

楽器も同じことだが過去の物を充分知りつつ未来も体験しておきたい。機会あるごとに最新の電子楽器にも触れるようにしているし、自分の頭の中もアップデートしようとしている。今だに電子楽器を否定しているのであれば話にならない。

自宅前にて。タヌキのような可愛らしい顔
ドアミラーはカメラなのでありません

3時間だけ予約してみた。ホンダの北池袋のディーラーにて貸し出し。運転免許証を車のカードリーダーにかざすと車のカギが開く(これはカーシェアリングのシステム)。ダッシュボード全面に液晶ディスプレイ。ミラーもカメラで撮影された画面だ。あえて自宅周辺を走り自宅前にも止めてみたりもする。電気自動車ならではの低速からの強力なトルクで加速する一方で音はとても静か。そこそこ幅広な車だが小回りも効くので小柄に感じられる。内装は趣味性は無いが機能的でタッチパネルの操作も説明書なしで大体使える。何の不足もない。

全面ディスプレイ。京都風の絵柄はPCと同じで変更可能な壁紙
ナビの画面やら音声認識システムやらオーディオやらこの画面に出てきます
両端にはカメラで撮影されたバックミラー表示

おそらくこういう形が近未来の自動車なのだろう。楽しいだろうかと疑問に思っていたが案外楽しい。普通の車では聴こえにくいクラシックギターの音楽も快適に聴けるし、自動追尾機能や自動パーキング機能などで運転に神経を使うことを減らせる。いざという時には自動ブレーキが作動するのだろう。テクノロジーが多くをサポートして人間は必要最小限の作業を行い、残りは暇になってしまった空間を楽しめるものとするのは未来のひとつの形だろう。

こういう車は所有するものではないだろうとは思う。自分オリジナルの空間にしたいなら別のハードウェア(車両)にソフトウェアとして自分なりの画面を映せばよいだけだろう。寂しいことのようにも思えるが自動車は既にコンピュータ機器なのだ。

音楽のあり方もこれと同じことだ。教養主義による同じ音楽を押し付けられる必要はなく皆がヘッドホンで好みの音楽を聴けば良いだけのこと。音源を所有する必要も無いし、好みに応じてデータを提案してもらえる。レコードを所有するのは既に別の趣味だ。

自分はテクノロジーをそれほど否定的に考えていない。コロナで露呈したように人間や組織の古い思考の方が障害なのだろう。テクノロジーは概ね人間にとって便利で安全な世の中にしてくれている。そしてなかなか面白い近未来は既に訪れていた。そういえばもう21世紀に入って21年も経っていた。

※アルファロメオの修理進捗状況の連絡も頂きました。雨漏りしていた窓は再接着完了、エンジン部品は入荷に時間がかかりそうとのこと。こちらは個体差あり、日々の変化があり時には故障をして、調子が悪いのではないかとハラハラして、排気音やエンジン音という騒音を楽しむ骨董品で、所有しないことにはその世界を楽しめない。でもペットを飼うような不思議な楽しさがある。Honda eとは対極にあるなあと思わされました。