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ちょっと変わった弓の姿〜ヴァイオリンの弓を楽しむ

見た目の上で少し変わった弓があります。現代ではほとんどの弓は装飾的な要素はありませんが、古い弓の中には貝細工の形が変わっているものもあります。古い弓の中には構造的に少し異なるものもありましたし、使用しているうちに破損した結果、修理を施した弓もあります。

それほど多く見かけることはありませんが、普通の弓と異なった姿も弓の歴史、演奏の中でのあり方を示すものです。決して「異なった姿だから良い」というものではなく、楽しむための知識や疑問を持つための材料にして頂ければと思います。

古い弓の中にはフロッグから弓の毛がむき出しになっているものもあります。オープンフロッグと呼ばれるものです。こういう形から、時代が下り弓の毛が安定するように半月リングが付きスライドが付いたとされます。

現代の弓には装飾性はほとんどなくパールアイも小さな円形のものが多いのですが、古い弓はさまざまな形のものがあります。上はレプリカ、中と下はオリジナルと考えられるものです。この形状でフランス革命時の立ち位置を現したという話を聞いたこともあります。単なる装飾として当たり前のように思うのではなく、当時の音楽のあり方(音楽はとても特別で特権階級のものでした)や、ひいては革命以降の音楽の変化にも思いを馳せる材料に考えると楽しいかと思います。

弓は単純な形をしているとは限りません。例えば古い弓の中では正八角形ではないものもあります。写真でわかりますでしょうか?八角形の水平面や垂直面の幅に対して斜めの面は狭くなっています。構造上、大変理にかなったものと思いますし、そういう構造上の配慮の積み重ねで弾きやすく良い音が出るのだろうと思います。

左右の合わせ目になっている中心のラインが少しずれているのがわかりますでしょうか?現代的な意味での製作精度という点では精度が低いということになってしまうかもしれませんが、古い弓の中にはこの合わせ目が合っていないものがあり、それで利き手が分かるとも言われますし、これが鑑定のポイントのひとつになったりします。直接的な音の善し悪しに影響は少ないと思いますが、こういうわずかなクセが音の特徴につながるのかもしれません。

古い弓の中には折れたり割れたりしたものを直してあるものがあります。写真の上の弓はスティック自体が折れて補強のために糸を巻いてあります。下はヘッドとチップの間が欠けて別の材料で補ってあります。お金をかけたり手間をかけて修理をするという事は誰かがその弓の価値を認め使い続けようとした歴史を示します。折れると金銭的価値は大きく低下しますが、ある程度の性能を残している場合もあり音だけで選ぶのならお買い得とも言えます。

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