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作曲家について知ること〜様式・解釈4

正しい解釈のために、その作曲家の伝記を読みなさいと言われます。その作曲家の人となりを知ることは的確な解釈の有力な材料になり得ます。時代背景やその作曲家のパトロン・周りの人との交友関係、得意とした楽器、嗜好、経済的事情などから、人物像がある程度浮かび上がってきます。

ただ注意しなければいけないのは、伝えられる人物像が事実とは限らないこと。そして、その人物像と作品が必ずしも一致するとは言えないこと。

歴史を学ぶ上で重要なのは「物語」ではなく「事実」を知ろうとすることです。ベートーヴェンについてのアントン・シンドラーの記述は参考にならないと有名ですし、当時からの有名人はあることないことが書かれているものと考えるべきでしょう。

ゴシップ的な逸話は物語としては楽しいですし、それが周りの期待する人物像ということはできます。「期待される人物像がその作品に求められる姿」とは言えますので、演奏解釈に役立たないとは言い切れないのですが、ゴシップを信用し過ぎるべきではないでしょう。

そして、その人物の仕事ぶりを知る上で有用な情報は何でしょうか?身近な人物で考えた時に、その人物の人となりと仕事はあまり相関がないと思います。例えば鉄道好きな知人とその仕事ぶりは私には感じ取れません(ドヴォルザークは鉄道好きでした)。

もちろん「物語」も「事実」も知らないよりは知った方が良いでしょう。でも結局のところ、その伝えられる人物の情報から作品を組み立てることは不可能です。作曲家の人となりや行動履歴を信用し過ぎることはむしろ作品から離れてしまうことにもつながります。芸術の場合は最も参考にすべきなのは残った作品であるべきでしょう。

※現代でもマイケル・ジャクソンのようにあまりに有名な人は死因すら不明確です。そしてマイケル・ジャクソンのゴシップ記事から作品や彼のパフォーマンスを再現できるでしょうか?ほとんど無理なはずです。

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