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金銭的なハラスメント:教える側のモラル、教わる側のモラル4

かつては音楽をするのには大きなお金が必要でした。レコードも輸入楽譜も高価で都会まで出かけないと入手できないもの、演奏活動には大きなお金と組織力が必要、楽器も輸入品と言うだけで価値あるものでした。また演奏技術はそれこそ秘技で得難い事でした。けれども、音楽の世界も世の中も上り調子で、投資と努力が報われ演奏家や指導者になっても充分な収入が得られるチャンスは多く、高額な楽器を買っても有利に売却できました。

情報技術の発達で逆になりつつあります。音源も楽譜もタダ同然で居ながら入手できるし、音源製作から世界配信までスマホひとつでできます。輸入楽器が普通になり安価な楽器でも高品質になりました。演奏技術の情報もネット上に溢れかえっています。反面、音楽の世界も世の中も下り坂で、演奏家や指導者も充分な収入が得られないことも多く、高価な楽器も買ってしまったら売るに売れないものになりました。

世の中も、終身雇用・年功序列ではなくなり、役職定年など事実上の格下げも行われ、雇用形態も不安定になりました。年金も支給開始年齢が引き上げられる一方、身内の介護が現実的な負担です。誰にとっても能天気ではいられない未来になりました。

そんな時代に変わったにもかかわらず、ヴァイオリンの世界・クラシック音楽の世界はいまだに指導側から大きな金銭を要求される事があります※1。教師が演奏会をするのであればチケット販売ノルマがあり、レッスン料とは別名目で様々な金銭的負担や奉仕活動が暗黙のルールのこともあります。高価で質の悪い楽器を教師から買わされることもあります。名義貸し程度で高額なレッスン料を要求する教師も耳にします。

要求する側が時代が変わったことを知ってか知らずか行われるこれらは、支払う側にメリットをもたらさない金銭的ハラスメントと言えるでしょう。世の中では「カツアゲ」と言われることで、そうと知って行っていれば犯罪行為ですし、知らずに行われているのであればいずれ時代と共に沈むことになるのでしょう。

カツアゲに従わなくても演奏活動できる時代です。インターネット広告は安価ですし、SNSでの日々の情報発信こそが効果ある宣伝とも言えます。楽器は自己保有しなくても名品すらもレンタルできます。情報を取捨選択できる能力があればネット上の情報から自分で進むべき道を判断できます※2。

音楽に限らず映画やスポーツなども含め、金の力・組織力で成り立っていた世界が崩れつつあります。そんな中、投資と努力に見合ったリターンを得るには、頭を下げる相手を昔のように権力・権威側ではなく、真に「お客様」の方にとシフトしていく必要があるでしょう。

※1 早稲田大学オーケストラの問題が先日明るみになりましたが多かれ少なかれ方々の組織で起こっている事でしょう。

※2 だからこそ基礎学力と常識が必要です。

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