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次第にヴァイオリンが苦痛になるのは〜適切な自己評価のために3

習うようになって、新しい課題を多くもらって、一生懸命練習して、最初のうちは目覚ましく上手くなっていく実感が得られます。けれども、非日常が日常になるにつれて次第に目新しさが薄らいでいくし、新しい刺激も少なくなっていきます。それに伴って上達感が無くなってきます。そして次第に嫌気がさしてきます。

上達の実感があれば楽しく嬉しいものですが、残念ながら楽しいうちはまだまだです。演奏とは建物の部屋のようなもの。鉄骨だけでは使える空間にはなりません。床や天井を張り、内装を整え、最終的にちょっとした家具や観葉植物がその部屋を利用する人にとっての印象になります。

楽しいうちは建物の鉄骨を作っている段階。新しい課題が減っていく頃から、外装工事から内装工事に入り部屋らしきものになりつつある段階に入ります。内装工事はクオリティを上げていく作業で、少しのシミも見逃さない退屈かつ面倒な作業ですが、これをやらない事には使える快適な部屋にはなりません。

上手い演奏とは、お客さんの来宅に耐えうる部屋のようなものでしょう。窓枠のホコリを指でチェックする意地悪な客にまで対応するかはともかく※、普通は散らかり放題の部屋にお客さんを呼ぼうとは思わないもの。そしてよほど荒れた部屋でなければお客さんは、普通は調度品や絵画などちょっとしたアクセサリーに注目して評価するものでしょう。外装や最低限の掃除はできていて当然なのです。

そして、お客さんにとってはどんなに美しく素敵な感動的な部屋も、慣れてしまえば部屋の住人にとっては飽きてきます。努力を重ねて充分弾けるようになってくるほど反比例して嫌気がさしてくる気持ちはこれに似ているのでしょう。皮肉な事ですが、自分で嫌気がさす頃から他人に聴かせられる演奏になりますし、その時が自分のためから他人のための演奏への転換点とも言えます。

※コンクールはそういうもので審査員全員を納得させる必要があります。ホコリひとつ無い完璧な美しい部屋を目指します。でもプロになって演奏を仕事にするのなら、むしろ2割の人にアピールする別次元の課題が出てきます。仕事にするというのは、ホテルのロビーではなく、趣味の合う友達がお土産を持ってでも何度も訪問したくなる居心地の良い部屋を提供することなのです。

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