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汚れの除去と動作をスムーズに〜ヴァイオリンの調整3

汚れは振動を妨げる事になってしまいます。調整の第一歩は掃除です。またネジ類も注油してスムーズに動くようにしておくと使いやすくなりますし音も変化します。

ヴァイオリンは普通に100年200年前の骨董品が使われていて、そういったヴァイオリンや弓はすさまじく汚れています。ホコリ、松脂の粉、人が触るものですので皮脂、昔の事ですのでタバコのヤニ、またキズ隠しに塗ってある絵の具のようなもの、など様々な汚れが堆積しています。これらの汚れを取り除くと汚れによる振動の阻害が無くなり音は少なからず変化します。

ヴァイオリンの胴体や弓のスティックは弦楽器用のポリッシュで磨くのが安全かつ一定の効果が得られます※。汚れを取り除くと、こもったような音から輪郭がはっきりした明るく健康的な音になることが多いようです。ただ「渋み」「風合い」といった味わいある音も汚れが生み出す音のひとつで掃除をすると無くなってしまう場合があります。その「渋み」が気に入っていた点だったとすると残念な気持ちになります。

胴体内部のホコリはひと握りの生米をf字孔から胴体に入れて楽器を軽く振る事で掃除ができます。お米をf字孔から出す時になかなか出てこない数粒が残る事がよくありますがムキにならず根気よく出します。胴体内部の掃除をするとこれも健康的な音になります。

弦や指板はエタノールをティッシュなどに含ませて拭くと掃除できます。堆積した弦の汚れが弦を擦るノイズの原因になっている場合は掃除でノイズが減少します。エタノールはニスを溶かしますので胴体に付着しないよう注意です。また通常は指板には塗料は塗ってありませんが、塗料を塗った指板の場合は要注意です。

ペグ、アジャスターや顎当てのネジ、また弓のネジの動作が渋い時は注油をします。ペグはペグコンポジションを少量塗り、アジャスターや顎当てのネジはごく少量のグリス、弓のネジは専用の潤滑剤もありますし、また濃い鉛筆の芯やロウを塗るとされます(わたしはロウを塗ってから熱で溶かす方法が気に入っています)。いずれも注油により動作が滑らかになると音も滑らかになります。

それぞれはほんの少しの違いなのでしょうが実践してみると案外音は大きく変化して驚かされます。各部品をストレスなく振動させるためのご参考にして頂ければ幸いに存じます。

※弦楽器修復で使われる掃除方法もありますが、これはリスクを伴いますのでネットでは伏せておきます。レッスンにお越しの方で興味がおありの方はお問い合わせ下さい。

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