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技術の横流しでは×:ヴァイオリン教師という仕事5/8

ヴァイオリン教師は「自分の言っていることが正しい」と思いがちです。誰しも程度の差はあれ「自分の考えが正しい」「自分の方法が正しい」と思いがちです。ですが、ヴァイオリンの教師は殊に「自分が習ってきたやり方」が正しく、それ以外は間違いと完全否定するケースが非常に多いようです。

国内の書籍や教本に書いてあるし、国内の多くの教室で教えられている奏法であるけれども、世界の名演奏家がほとんどやっていない奏法の場合があります。例えば、ひじを下げて弾く弾き方や、指弓(弓の返しで指先と手首を曲げる運弓方法)、八の字奏法(弓を8の字状に動かす運弓方法)などです。

これらの奏法にも多少のメリットはありますが、名演奏家がやっていないことをわざわざ教える必要はないでしょう。また、この弾き方で名演奏家の音を出そうとしたり、ストラディヴァリを充分に鳴らそうとすると、恐ろしく複雑なことを考えないといけなくなってしまいます。本来単純なことを非常に複雑に教えるのでは指導として失敗です※1。

ヴァイオリン教師には自分を批判してくれる人はいません※2。そのため、つい自分に都合の良い考え方や、思いつきのような新奇な考え方になりがちです。ひどい場合は本で読んだ「魔法のような」メソッドや無意味な体操を無批判にやらせたりとなることが多いようです。

残念ながら、自分が覚えたことを単純に流すような指導者が多いようです。教える仕事は演奏技術を横流しするのが仕事ではありません。ひとつひとつの技術を見直して整理して、最もわかりやすい表現で生徒に伝えるのが仕事です。

「自分が習ったやり方」が正しいとは限らない。教える仕事はそれをわかっていなければなりません。

※1 技術は単純な方が良いです。ヴァイオリン演奏の9割方は単純な要素でできているとわたしは考えています。それで結構良い音も出るし、ストラディヴァリもかなり鳴らせます。

※2 ヴァイオリン教師だって、先生に習わないといけないと思っています。レベルが違いますが、あのオイストラフだってコーチについていたという話を聞いたことがあります。自分ひとりでは気がつかないことがたくさんあるものです。

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