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練習不足で退化してしまった演奏技術を取り戻すためには、スポーツ選手がオフシーズンに休養を取ってシーズン入りに向けて調子を取り戻すトレーニングのイメージが役に立つことでしょう。急に無理をしてハードなトレーニングを行うと身体を壊してしまいますし、無理をしても思ったような成果も上がらないことでしょう。
まずは軽いジョギングから、理想のフォームや力加減をチェックをしながら、時にはコーチにチェックしてもらいながら調子を取り戻していきます。調子を取り戻すためには根性論でのやみくもなトレーニングは無意味で、正しく理想的な状態を知っていてその状態に計画的に近づけていく必要があります。
ヴァイオリンを弾くには力はそれほど必要無いこと、一つ一つの動きはシンプルでエレガントなこと、無意味な音ムラはない方が望ましいこと、などが正しく理想的な状態と言えるでしょうか。その目的意識を持って身体にとって負担の少ないトレーニングから負荷の強い方に向かって調子を取り戻していきます。
ボーイングはノイズと音ムラが出ないように注意して、短い弓幅から次第に弓幅を広げていくのがよいでしょう。ヴィブラートは均質かつ滑らかなで揺れの速さが適切であるように注意して(遅すぎになってしまっていることがしばしばあります)、まずは小さめの揺れ幅から広げていくのが良いでしょう。その時に音程も開放弦の共鳴を聞いたりチューニングメータも利用しながらチェックして精度を上げていきます。
ボーイングもヴィブラートも手首が折れ曲がるなど無理のかかったフォームではうまく動かないものです。鏡などを見ながら、極力無理のない「普通の形」になっていることを確認しながら進めます※。その日のうちに目覚ましく調子が戻ることはないと思いますが、まずは弾き方を思い出すというレベルから始めて、少しずつ正確に弾けるように整えていくことが望ましいと言えます。
適切な力加減や練習の方向性が分からなくなってしまったときのご参考にして頂ければ幸いに存じます。
※そもそも無理な力の入った弾き方をしている場合はこういった手順は意味を持ちません。ですが、それで美しい音が出るとは思えません。