演奏技術のお話

演奏技術のお話

忙しい方のための練習方法

ヴァイオリンはよく言われるように「1日休めば3日遅れる」の世界です。毎日の練習があって技術は維持できます。けれども大人の方の場合は現実的に忙しくて毎日弾けないこともあるもの。特に今年の年末年始はお付き合いも多いでしょう。家族のお世話が必要なケースも多いでしょう。そう言う時には「ヴ…
演奏技術のお話

良いヴァイオリンをお持ちになった方がおられ

土曜は東京にて日曜は愛知にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。なんだか春めいた良い陽気ですね。富士山の雪も減って春のような景色いつもお越しの方が普段と違うヴァイオリンを今回お持ちになった。名の知れた良いヴァイオリンで私としても興味深くレッスンをさせて頂きました。楽器が…
演奏技術のお話

すごい事も普通の事の組み合わせ

「魔法のように上手く弾けるようになる奇跡の練習法」なんて言ってあげられたらいいのですけどね^^。ヴァイオリンの技術は一見すごそうに見える・聴こえる事も普通の事の組み合わせに過ぎません。従って、魔法のように上手く弾けるようになる方法は存在しません。どんな名演奏家も生まれながらに名人…
演奏技術のお話

弾き方は普通でいいから

ヴァイオリンの世界でもいろんな人がいろんな指導をするものです。それはどれも間違ってはいないのですが、やるべき事は人として普通のことを普通にです。ともすればその視点に欠けた極端な指導をされるケースがあります。ヴァイオリンの操作は本質的に難しいものではありません。難しい道具が500年…
レッスンのお話

鷲見先生のヴァイオリン指導

蔵出し書籍シリーズ。まだまだ続きます。別に手持ちの全書籍を紹介するわけではありません(そういう企画ならとても楽ですが^^;)。鷲見三郎「ヴァイオリンのおけいこ」という古い書籍。昔話はしないよう心がけていますがご容赦下さい。私自身が子供の頃の10年ほど習っていた先生が鷲見門下だった…
演奏技術のお話

最重要テクニック:弓を等速で適切な角度・位置で動かすこと

ヴァイオリンで最も重要なテクニックがあるとしたら、弓を等速で適切な角度と位置で動かすことです。それだけの事ですが一生の訓練が必要なテクニックと言えます。ある程度弾ける方でもきちんとできていることは無いので、レッスンに初めてお越しの方にはほぼ100%この課題をお出しします。これがで…
レッスンのお話

大先生の指導の入った楽譜

蔵出し書籍シリーズが続きます。江藤先生、浦川先生、独立の楽譜にはなっていませんが岩淵先生といった大先生が指導を入れた楽譜です。かつて存在した弦楽器専門誌「月刊ストリング」の連載でした。写真は新しい楽譜ですが、私が中学生の頃の岩淵先生によるバッハ無伴奏の指導からですがリアルタイムに…
演奏技術のお話

印税通知書と魂柱・駒の材料

土曜・日曜は東京にてレッスン。多くのご利用&お越しを有難うございました。拙著「まるごとヴァイオリンの本」の電子書籍版の印税支払通知書が青弓社さんから届きました。著者側からは売れ行きは分からないし、売れない商品は多くの人に迷惑をかけるので、売れ行きは気になるもの。10年前の書籍を今…
演奏技術のお話

シュラディックは大変効果的なのですが

不評であろう蔵出し書籍シリーズ。シュラディック。私自身は子供の頃みっちりやりました。定番中の定番ですがレッスンにお持ちになった方はあまりいらっしゃいません。左手のテクニック構築には大変有用でセブシックよりも効果的かつ効率的と考えています。うちでも初期の頃は採用していました。ただこ…
演奏技術のお話

ヴァイオリンの魅力と謎

不評であろう蔵出し書籍シリーズ。私自身が多くのヴァイオリニストと少しばかり異なるヴァイオリン人生を辿るようになった原点と言える書籍です。多くのヴァイオリニストと同じくヴァイオリンを嫌々習っていた中学生の頃、実家近くの愛知県扶桑町図書館で手に取ったのですスポーツ新聞を思わせるような…
演奏技術のお話

セブシック

不評であろう蔵出し書籍シリーズ。子供の頃に使っていたセブシック。表紙はどこかに行ってしまってテープで貼ってあってボロボロです。多く使ったのだと思います。自分はみっちりやったクチですが、うちのレッスンは大人を対象にしているので特別にご要望がなければセブシックは基本的には採用していま…
演奏技術のお話

ヴァイオリンのABC

先日の古いNHKテキスト「バイオリンのABC」にかけて。SNSで見かけ、調べてみたらしばしば言われるらしいABCの法則、自分は知りませんでした。A:当たり前のことを B:バカにしないでC:ちゃんとやるヴァイオリンにも当てはまります。至言です。上手い演奏とはこれに尽きます。自分も肝…
演奏技術のお話

積極推奨はしませんが肩当てなしのメリットは多いかも

五十肩をきっかけにしばらくぶりに肩当てなしで弾き続けています。気のせいではなく音色面だけでなく音程面でもメリットを感じています。肩こりも軽減したように思えます。ローポジションで指を広げるのはうまくいきませんが、デメリットよりメリットが上回るかもしれません。レッスンでは人並み、世間…
レッスンのお話

ハイフェッツの本

不評であろう蔵出し書籍の紹介が続きます。ハイフェッツの本。子供の頃に習っていた先生の書棚にあって、それを手掛かりに名古屋市まで出かけて買った本です(子供には実家から名古屋市はとても遠かったのです)。中学生か高校生の頃だったと思います。こんな書籍は通常は存在すら知り得ないもの。昔か…
演奏技術のお話

ヴァイオリンの聖書(?)

多分ウケの悪い蔵出しシリーズ。カールフレッシュ「ヴァイオリン演奏の技法」。「ヴァイオリンの聖書」とも呼ばれた書籍です。当時としても高額かつ著しく読みにくいです。でもこれで皆勉強したもの。ヴァイオリンを真面目に取り組む人は誰もが読んでいた共通認識のひとつと言えると思います。自分はそ…
演奏技術のお話

イタリア的な演奏〜ヴァイオリンらしさにつながる

ヴァイオリン本体はイタリア製が優れていると定評があります。大きく明るく前向きな音で表情豊かと一般論では言えるでしょうか。パヴァロッティの歌声と同質なものと言えます。こういう音が求められるヴァイオリンの音なのでしょう。イタリアのヴァイオリンを使っていなくても、そういうつもりで音を出…
演奏技術のお話

弓はフランスの定評〜上手い演奏にもつながる

ヴァイオリンはイタリア、弓はフランスと言われます。世間一般でも高額なヴァイオリンはイタリア、高額な弓はフランスがほとんどです。自分自身もイタリアのヴァイオリンとフランスの弓を多く使っています。別にその定評に異論を唱えるつもりはありません。ともすれば変な人は持論に都合のいいマイナス…
演奏技術のお話

時々過去に弾いた曲を蔵出しすると上手くなる

時々は過去に弾いた曲を蔵出しすると上達につながります。レッスンなどでこれまでに弾いた曲は何曲もあるはずです。マルがもらえてそのままになってしまう事も多いものですが、時には蔵出しして弾いてみると上達につながります。思い出すことよりも、さまざまな技術がまとまって有機的に結合できる事が…
演奏技術のお話

ガムシャラ練習も楽しい

いつも頭を使った練習をおすすめしてはいますが、私自身は現在頭を使わないガムシャラ練習中です。私事ですが右腕があまり上がらないのでそれに合わせてヴァイオリン側も肩当て無しで下げ気味に。古楽の演奏スタイルのような弾き方です(こんな弾き方をレッスンで推奨はしませんのでご安心下さい)。こ…
演奏技術のお話

上質な楽器の音を良いと思える美意識

音色の問題は解決できる自信はあります。レッスンでもほぼ100%で解決できていると思います。楽器の側でも「良い音」は多く知っている経験はあります。ただ、それをどう思われるかはご自分次第だろうかなとも思います。これまでガリガリの音色で弾いていた人が、ノイズの少ない豊かな音色になっても…
演奏技術のお話

弾きやすい曲・弾きにくい曲

弾きやすい曲・弾きにくい曲があります。人前で弾いたり発表会で弾く場合は、あえて弾きにくい曲を選ぶよりは弾きやすい曲を弾いた方が無難ではあります。弾きにくい曲は失敗をする可能性が跳ね上がります。弾きやすい曲としてはヴァイオリン教本に採用されている曲が挙げられます。一見複雑そうでも難…
演奏技術のお話

頻用しますがスラーはかなり難易度を上げます

ヴァイオリンの演奏でスラーは当たり前に出てきますが、かなり難易度を上げます。初歩のうちは音階練習などはスラーを外して弾かないと難し過ぎになってしまうと思います。実際、小野アンナ音階は最初は弓を返して、2巡目はスラーを付けてと進めることにしています。所定の弓順で移弦を伴いながら弾く…
演奏技術のお話

力加減は道具や音楽の構造に沿って

ヴァイオリンの演奏上の問題を解決しようとするときに、「しっかり頑張る」という発想になりがちですし、そのように教えられることすらあります。例えば、ヴァイオリンをうまく持てない時にしっかり、音がうまく出ない時に弓を弦にしっかり当てて、左手がうまく動かない時に素早くしっかり、届かない時…
演奏技術のお話

迷ったらまずはニュートラルに

ヴァイオリンでもよく言われることですが(古いカール・フレッシュの本にも書いてあることです)、「こうすれば良いのでは!」という思いつきの大半は使えません。思いつきは奇抜な方法に走りがちです。けれども演奏で必要なのは大半がニュートラル・中庸です(だから音楽教育が成り立ちます。奇抜なこ…