演奏技術のお話

演奏技術のお話

シュラディックは大変効果的なのですが

不評であろう蔵出し書籍シリーズ。シュラディック。私自身は子供の頃みっちりやりました。定番中の定番ですがレッスンにお持ちになった方はあまりいらっしゃいません。左手のテクニック構築には大変有用でセブシックよりも効果的かつ効率的と考えています。うちでも初期の頃は採用していました。ただこ…
演奏技術のお話

ヴァイオリンの魅力と謎

不評であろう蔵出し書籍シリーズ。私自身が多くのヴァイオリニストと少しばかり異なるヴァイオリン人生を辿るようになった原点と言える書籍です。多くのヴァイオリニストと同じくヴァイオリンを嫌々習っていた中学生の頃、実家近くの愛知県扶桑町図書館で手に取ったのですスポーツ新聞を思わせるような…
演奏技術のお話

セブシック

不評であろう蔵出し書籍シリーズ。子供の頃に使っていたセブシック。表紙はどこかに行ってしまってテープで貼ってあってボロボロです。多く使ったのだと思います。自分はみっちりやったクチですが、うちのレッスンは大人を対象にしているので特別にご要望がなければセブシックは基本的には採用していま…
演奏技術のお話

ヴァイオリンのABC

先日の古いNHKテキスト「バイオリンのABC」にかけて。SNSで見かけ、調べてみたらしばしば言われるらしいABCの法則、自分は知りませんでした。A:当たり前のことを B:バカにしないでC:ちゃんとやるヴァイオリンにも当てはまります。至言です。上手い演奏とはこれに尽きます。自分も肝…
演奏技術のお話

積極推奨はしませんが肩当てなしのメリットは多いかも

五十肩をきっかけにしばらくぶりに肩当てなしで弾き続けています。気のせいではなく音色面だけでなく音程面でもメリットを感じています。肩こりも軽減したように思えます。ローポジションで指を広げるのはうまくいきませんが、デメリットよりメリットが上回るかもしれません。レッスンでは人並み、世間…
レッスンのお話

ハイフェッツの本

不評であろう蔵出し書籍の紹介が続きます。ハイフェッツの本。子供の頃に習っていた先生の書棚にあって、それを手掛かりに名古屋市まで出かけて買った本です(子供には実家から名古屋市はとても遠かったのです)。中学生か高校生の頃だったと思います。こんな書籍は通常は存在すら知り得ないもの。昔か…
演奏技術のお話

ヴァイオリンの聖書(?)

多分ウケの悪い蔵出しシリーズ。カールフレッシュ「ヴァイオリン演奏の技法」。「ヴァイオリンの聖書」とも呼ばれた書籍です。当時としても高額かつ著しく読みにくいです。でもこれで皆勉強したもの。ヴァイオリンを真面目に取り組む人は誰もが読んでいた共通認識のひとつと言えると思います。自分はそ…
演奏技術のお話

イタリア的な演奏〜ヴァイオリンらしさにつながる

ヴァイオリン本体はイタリア製が優れていると定評があります。大きく明るく前向きな音で表情豊かと一般論では言えるでしょうか。パヴァロッティの歌声と同質なものと言えます。こういう音が求められるヴァイオリンの音なのでしょう。イタリアのヴァイオリンを使っていなくても、そういうつもりで音を出…
演奏技術のお話

弓はフランスの定評〜上手い演奏にもつながる

ヴァイオリンはイタリア、弓はフランスと言われます。世間一般でも高額なヴァイオリンはイタリア、高額な弓はフランスがほとんどです。自分自身もイタリアのヴァイオリンとフランスの弓を多く使っています。別にその定評に異論を唱えるつもりはありません。ともすれば変な人は持論に都合のいいマイナス…
演奏技術のお話

時々過去に弾いた曲を蔵出しすると上手くなる

時々は過去に弾いた曲を蔵出しすると上達につながります。レッスンなどでこれまでに弾いた曲は何曲もあるはずです。マルがもらえてそのままになってしまう事も多いものですが、時には蔵出しして弾いてみると上達につながります。思い出すことよりも、さまざまな技術がまとまって有機的に結合できる事が…
演奏技術のお話

ガムシャラ練習も楽しい

いつも頭を使った練習をおすすめしてはいますが、私自身は現在頭を使わないガムシャラ練習中です。私事ですが右腕があまり上がらないのでそれに合わせてヴァイオリン側も肩当て無しで下げ気味に。古楽の演奏スタイルのような弾き方です(こんな弾き方をレッスンで推奨はしませんのでご安心下さい)。こ…
演奏技術のお話

上質な楽器の音を良いと思える美意識

音色の問題は解決できる自信はあります。レッスンでもほぼ100%で解決できていると思います。楽器の側でも「良い音」は多く知っている経験はあります。ただ、それをどう思われるかはご自分次第だろうかなとも思います。これまでガリガリの音色で弾いていた人が、ノイズの少ない豊かな音色になっても…
演奏技術のお話

弾きやすい曲・弾きにくい曲

弾きやすい曲・弾きにくい曲があります。人前で弾いたり発表会で弾く場合は、あえて弾きにくい曲を選ぶよりは弾きやすい曲を弾いた方が無難ではあります。弾きにくい曲は失敗をする可能性が跳ね上がります。弾きやすい曲としてはヴァイオリン教本に採用されている曲が挙げられます。一見複雑そうでも難…
演奏技術のお話

頻用しますがスラーはかなり難易度を上げます

ヴァイオリンの演奏でスラーは当たり前に出てきますが、かなり難易度を上げます。初歩のうちは音階練習などはスラーを外して弾かないと難し過ぎになってしまうと思います。実際、小野アンナ音階は最初は弓を返して、2巡目はスラーを付けてと進めることにしています。所定の弓順で移弦を伴いながら弾く…
演奏技術のお話

力加減は道具や音楽の構造に沿って

ヴァイオリンの演奏上の問題を解決しようとするときに、「しっかり頑張る」という発想になりがちですし、そのように教えられることすらあります。例えば、ヴァイオリンをうまく持てない時にしっかり、音がうまく出ない時に弓を弦にしっかり当てて、左手がうまく動かない時に素早くしっかり、届かない時…
演奏技術のお話

迷ったらまずはニュートラルに

ヴァイオリンでもよく言われることですが(古いカール・フレッシュの本にも書いてあることです)、「こうすれば良いのでは!」という思いつきの大半は使えません。思いつきは奇抜な方法に走りがちです。けれども演奏で必要なのは大半がニュートラル・中庸です(だから音楽教育が成り立ちます。奇抜なこ…
演奏技術のお話

注意すべき音程:増2度、半音

問題になりやすい音程のパターンとして増2度と半音の関係があります。増2度は多くの場合幅が狭くなってしまいます。半音はローポジションでは幅が狭く、ハイポジションでは幅が広くなってしまいます。これらは指に依存して音程を取ってしまっている時に生じやすいことです。こういったパターンを注意…
演奏技術のお話

解釈の1stステップは文化を学ぶこと

演奏の解釈については様々なことが言われます。ここを膨らませ、ここは伸ばしなどと事細かく言われます。それはそれで有効なのですが、音楽は音楽で独立して考えられ、その国の歴史や文化、言語との対応はあまり論ぜられてこなかったように思えます。ここ20年ほどになってやっと、歴史的背景や楽語の…
演奏技術のお話

ひとつの教本をしっかりと

学校の勉強でも、あれこれと参考書に手を出すより、ひとつの定番をきちんとこなす方が成果が上がります。それと同じでヴァイオリンも練習曲をあれこれつまみ食いするよりも、少数の定番をきちんとこなした方が上達します。あれもこれもと手を出したくなる気持ちは分かります。取捨選択して効率よく上手…
演奏技術のお話

ヴィオラはヴァイオリンと役割が違うので

ご要望頂きヴィオラのレッスンをやらせて頂きました。ヴァイオリンに比べると数は少ないですがヴィオラのレッスンもさせて頂いています。私はヴィオラ好きなので結構嬉しいです。私自身がヴィオラの先生に最初に「ヴィオラはヴァイオリンよりもチェロに近い楽器だ」とご指導頂きました。様々な点でその…
演奏技術のお話

手のフレームは音程だけでなくヴィブラートにも

ガラミアンの言う「手のフレーム」。各指で適切な音程を取ることだけでなく、ポジション移動やヴィブラートにも重要な概念です。ポジション移動もヴィブラートも指先を動かすことではなく手全体を動かすことです。うまくできない場合に指先への意識が強すぎるケースはとても多く見られます。「手のフレ…
演奏技術のお話

音程を指先で取るのではなく柔軟な手のフレームで

ガラミアンの書籍に手のフレームという概念があります。左手の手の形全体で捉える発想なのですが、うちではこれを採用しています。それもガチガチの固い左手ではなく弾力ある柔軟なものとして捉えます。音程は指の先で取るイメージがありますが、あまり得策とは思いません。しかも固いものととして押さ…
演奏技術のお話

迷いない左手に憧れますがフレキシブルな方が

バシバシと迷いなく音程を当てていく強固な左手の技術はカッコいいし上手い人感がでます。私自身もかつてはそういうタイプでした。でもこれはそれほど良いことではありません。例えば自分のヴァイオリンでなければ音程が取れなくなってしまったり、ヴィオラを弾いてからヴァイオリンに戻ると音程がメタ…
演奏技術のお話

重音の練習は単音の音程安定化にも役立つ

重音の音階を苦労して練習している方もいらっしゃるかと思います。重音を重音として使うことはもちろん、移弦を伴う単音の音程を取る上でも大いに役に立ちます(そのためにも重音は必要です)。大きめの音の跳躍をオクターブや10度として取ることも実用的ですし、フィンガードオクターブは少しずつの…