10年後も通用するヴァイオリンの音を

木曜、土曜、日曜は東京にてレッスン8コマ+7コマ+5コマ。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。

引っ越しのため掃除や整理の真っ最中。未練があって処分できなかったレーザーディスクのソフトを処分しに、秋葉原のハードオフに持って行ったり。一枚5円に涙。国内で出版のヴァイオリン書籍はほぼ全て持っているが、タレント本的なものは今回処分を。

左:ズッカーマン、右:パールマンのレーザーディスクです。
これらの中からどうしても処分しきれないもの以外はハードオフに持って行きました。

普段お仕事帰りにお越しのため、うちの楽器をお使いの方が久しぶりにご自分のヴァイオリンをお持ちになった。この機会にと私なりにチェックを行なった。別の方からはヴァイオリン購入検討のご相談を頂いた。ご自分で判断できる材料をご提供できればと私のヴァイオリンを4本弾いて頂いた。

楽器のご相談は大歓迎だ。別に私に収益が生じるわけではない(一部の指導者のようにリベートやお礼金を取ってはいない)。「正しい」と言える話をすることができるからだ。

音楽の指導というと表情・表現の話が一般的に多いものだが、クラシック音楽と言えど表現は案外不確実なもので「正しさ」はその時々の流行によって変化する。例えばバロック演奏は20年前とは全く異なっていて、それまでの「正しさ」は何だったのかと思うほどだ。

アレグロなどの速度記号、フォルテピアノなどの強弱記号のような基本的なことすら、昔のように単純に「速く」「大きく」「小さく」ではない。音程も絶対的なように思えるが、歴史の中で少なからず変動がある。

でも、楽器としての物理は変わらない。幸いストラディヴァリやグァルネリといった名品に多く触る機会に恵まれたので、実際に触ったり叩いたりして楽器としての響き具合を確認できた。物理として当たり前の事がきちんと作られている楽器が300年400年経っても名品なのだ。

教育は10年・20年後を見据えて行うもの。音楽的表現についての話が10年後も通用する自信はないし、奏法も少なからず変化しうる。でも楽器の物理については不変だろう。エビデンスのある確実で法則性のある話。そして楽器の物理に則した奏法。そんな話ができると嬉しい。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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