Tarisioの結果:スターンのダブルケースやらパジョーの弓やら

弦楽器オークションのTarisioの結果が出た。往年の名ヴァイオリニストのアイザック・スターンのダブルケースが9,000ドル。手数料込みで170万円と言ったところか。予想落札価格が1,000ドル〜1,500ドルで「え、そんなに価値が無いの?Hillのケースだけの値段じゃん」と驚いたが、適切に価値が認められて安心した。

パジョーの弓。パジョーは以前自分も使っていたので関心が強い。専門書籍に掲載の弓ということはあれど、普通の銀黒檀が落札価格で75,000ドル!手数料込みで1,400万円といったところ。小売価格なら5,000万円程度だろうか。すごく高くなった。

ここのところオールド弓はとても高くなったが、逆に弓が演奏に与える能力がようやく認められるようになったのだと思う。ともすれば弓はヴァイオリン本体よりも音楽性に影響が出るものなのだから。高くなる前にオールド弓を買いまくっておいてよかった^^

ここ最近になって音が適切に評価されるようになったように思える。それから昔の演奏家が音をとても大事にしたものだとも。

出品のケースにスターンの手紙が付属している。正しく意味を把握できている自信はないが、駒の接触を気にしているようで自分で対処する旨記されているようだ。手紙は1956年と言うことで、まだ「Ysaye」デルジェスはスターンが所有していない頃だ。「Rebner」と「Panette」デルジェスを入れていたのだろうか。

ヴァイオリンが現在のような値段ではなかった頃。それでも現在の人よりもよほど気にして大事にしていた様子が伺える。ちょっとした保管方法で音が変化するのであれば世界を飛び回る演奏家にとっては重要なことだろうし、形でも気分でもなく音の保全のために、昔の人の方が優れた感覚を持っていたのかもしれない。

そして上記の弓ではないが、スターンの遺品にパジョーの極上の弓が含まれていた。スターンの演奏スタイルからは意外に思ったが、音を重視するのであればパジョーは最上の選択肢のひとつと言える。

スターンは自分の目指した演奏家のひとり。スターンの発言などだけではなく、所有した物品からして音色をとても大事にした人物と少しずつ分かるようになり嬉しい。昔は「スターンはアメリカ臭い」なんて言われて敬遠されたのだから。

自分自身は古い演奏家が行った事を辿っては気づいてはの繰り返しの最中
シルクスカーフもそのひとつで音の影響はありそうだ
ただムサフィアのケースはリボーニほど湿度を通さないようだ
そこを勘案した対処が必要かもしれません