ハイアーチの楽器こそヴァイオリンの本来の姿

木曜は東京にてレッスン。台風による強風の中、お越し頂いた皆様有難うございました。すっかり寒くなりました。どうぞ皆様風邪などをお召しにならないようご自愛下さい。

既に2026年1月のご予約を頂き始めています。先々のご都合をつけて頂き恐縮。来年もどうぞよろしくお願い致します。

貴族の没落に伴う歴史の経緯の中で廃れていった経緯は理解できるものの・・・。特に古い楽器に見られるハイアーチのヴァイオリンこそがヴァイオリンの本来の姿であり、ハイアーチの楽器を鳴らせるボウイングが適切なボウイングと考えている。

ハイアーチの楽器。手持ちのオールドヴィオラ
アーチの程度は指板と表板との距離を見ると分かりやすいです

ハイアーチは鳴らないと言われてきた。上質な楽器であればそれはその人がボウイングが悪くて鳴らせなかっただけ。弓の圧力をかけてガリガリ弾く人には楽器に相手にもされないはずだ。

楽器を円筒状に見立てた時に、筒を転がすようにボウイングを行うとハイアーチの楽器はとてもとてもよく響く。以前お借りしていたガスパロ・ダ・サロもヤコブ・スタイナーもマントゥアのピエトロ・グァルネリも、そういう弾き方で極めて広がりのある雑味のない品のある音が出た。

ハイアーチのフォロワーを多く生み出したスタイナーは、それだけ品のある音で響くから当時はストラディヴァリより高く取引されたのだ。ただ、出来の悪い楽器を大量に生み出したフォロワーがいたことが不幸ではあった。

ボウイングは弦を振動させるのではなく、駒を横に振動させる操作と考えると良いと思う。そうすると魂柱とバスバーの働きで胴体全体が三次元的に振動し、四方八方に音が広がる。これがヴァイオリンを弾くということだ。

駒を横方向(弓の進行方向)に振動させる
それがボウイングに求められること

伺ったお話をきっかけに、そんなお話をレッスンでさせて頂いた。わかりやすく音が変化した。

ヴァイオリンの世界(特にヴァイオリン一筋で来たヴァイオリニスト)は文系的な人が多いのは否定できず、そんな話は理解を拒否されるかもしれない。けれども、演奏技術は効果が曖昧な弦や松脂などに生じやすい思い込みや信仰のものではなく、合理的な因果関係のあるもの。対症療法に終わらせないためにレッスンでいつも心がけて説明していることです。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

石田 朋也をフォローする
レッスンのお話演奏技術のお話楽器や弓、アクセサリーの話音色のお話思うこと