アームサポーターは毒にも薬にも:扱いを誤れば痛みの原因にも

例えば、左手の手先を動かしてヴィブラートをかけようとしても、それだけでは薄っぺらい揺れているだけの音が出る。左腕の付け根を、さらには右腰や右脚を意識した方が響きある音になる。演奏は手だけの動作ではないのだ。

引き続きコンプレッションウェアと演奏の関係の検証を継続中。機能性ウェアなら製品上のねらいが明確なので、演奏に関連する部位が確認できれば、注意する箇所や鍛えるべき要素も特定できる。衣類なので脱着前後で比較でき検証しやすいし、弾きやすい/弾きにくいの主観的判断だけでなく、臭い(周波数が変化し新たな箇所が振動すると楽器から臭いが出る)や左右バランスの変化といった客観的判断でも検証できる。上記のヴィブラートの例のように、演奏は手だけではないことも明確に検証できる。

AmazonのセールでCW-Xのアームサポーターを注文し土曜日に到着。両腕で3割引で7,000円とお安く。前腕の影響は検証できていなかったので、興味深い結果が得られるかと期待。

購入したサポーター:結構長くて肩近くまで伸びサポートします

大変興味深い結果が。

着用位置で音が悪くなったり戻ったり(今のところ良くはならず)、フィンガリングもコントロールが効いたり効かなくなったり、着用位置によってはたちまち右の背中が痛くなったり。今のところアームサポーターはヴァイオリンに関してはメリットが見つからない(左のピチカートなど力が必要な技術は容易になった)。

「肘が痛くなった時にサポーターを」はテニスなどのスポーツでは一般的な対処と思うが、ヴァイオリンに関しては必ずしも薬にはならず毒かもしれない。

ところが。

ヴァイオリンではメリットにはならない着用状態でギターを弾いてみたら臭いが立ちのぼる。周波数的な分布に変化が出るようだ。聴感上もクラシックギター、アコースティックギターだけでなくエレキギター・エレキベースでも音が太く厚みが出る。「音が良くなる」=「適切な演奏」と言え、「適切な演奏」=「その楽器にとっての適切な身体の使い方」と言える。左手も押さえやすくなる。ギターに関しては薬として作用していると言える。

ヴァイオリンとギターで左手に関して似たような押さえ方をするが、根本的に筋肉の使い方が異なるようだ。考えたことがなかった事で興味深いこと。

指弾きでもピックで弾いても大きく音色が変化しました
いわゆる「上手い人の音」になったのでサポーターが適切な作用になったのでしょう

着用後はこのくらい跡がつきます。かなり強力と言えますので使用には注意を要します