バッハ無伴奏のお手本のような音源

水曜日のレッスンは開店休業(泣)、木曜日は普通通りのレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。

いつもながら「きちんと弾く」スタンスでお話をさせて頂きました。うちのレッスンは「きちんと普通に弾けること」を重視していますので、「音は余計なムラを出さず」「余計なノイズを出さず」「休符はきちんと数えて」とやることは地味なのです。自分自身も「きちんと弾きなさい」と故玉置先生に長年ご指導を頂き続けたし、玉置先生も師事されていたドイツの先生に「きちんと弾きなさい」と指導されたとおっしゃっていました

バッハのシャコンヌをあれこれ聴いていた。ヴァイオリン以外の楽器による演奏を含めると膨大な数の新譜がリリースされている。Apple Musicで見ると2025年だけでも17種類。2024年で39種類。ありきたりに思える音源も面白いと言える音源も。

その中でChristoph Timpeというドイツのヴァイオリニストの2024年リリースのバッハ無伴奏の全集が耳に止まった。古楽的な演奏である一方で、フーガやアルマンドはお手本のような演奏だ。自分自身が玉置先生に習った通りの演奏だと感じた。自分はカールフレッシュ版でご指導を頂いたが、フレッシュ版に記されている押さえるべき箇所を完璧に押さえてある。これが古楽演奏であってもドイツでは常識なのだ。

バッハ無伴奏はルールの多い曲だ。例えば1番のソナタのフーガのスタッカートとテヌートの音の伸ばし方はカールフレッシュ版なら都度記されているし、シェリング版なら序文に書かれている。

ここまできちんと再現している演奏も珍しいのではと思う。奇抜なことをしなくても「きちんと弾く」事を丁寧にやることで、これほども魅力的な演奏になると示されると嬉しくなるね!

HMVのサイトによるこの音源の説明はこちらです。

Sonatas & Partitas for Solo Violin : Christoph Timpe (2CD)
Bach, Johann Sebastian (1685-1750)