今年からレッスン時にお手本を弾くことを増やしました→結果は上々

水曜は東京にてレッスン。とても暖かくなり久しぶりに暖房なしで。むしろレッスン室は暑いくらいで。お越し頂いた皆様有難うございました。

今年に入ってからレッスンのやり方の見直しの一つとして、レッスン時に自分の側がお手本を弾くことを増やした。

子供の頃に習った佐々木先生はしばしばお手本を弾いて頂いたが、大人になってから習った玉置先生の指導も曲のお手本の演奏はほとんどなかった。佐々木先生は鷲見先生の指導法、玉置先生はシュタフォンハーゲン先生やシュミット先生の指導法だったのだろう。

どちらが正しいというものではないが、カール・フレッシュの書籍に「指導者がやたら多く弾くのは無意味なレッスン」旨の記述があり、それに従って自分は曲のお手本を弾くのは最小限にしていた。フレッシュの時代は言葉の説明なく「音楽が音楽を語る」の発想で指導者が弾いてばかりの指導も多かっただろう。フレッシュの意見にも一理ある。

その一方で、「言葉だけでなく音楽で音楽を語った方が良いかもしれない」と思うようにもなった。子供の頃に佐々木先生がお手本として弾いて下さったモーツァルト5番の3楽章の一節を今も覚えている。誰の演奏にも似ていなかったそのフレーズが衝撃的で、今もヴァイオリンを弾いていられる原動力のひとつだ。確率は低いかもしれないが、その原動力の蓄積は必要かもしれない。

今年からお手本を多めにした結果なのか、皆さん良い演奏をするようになったように思える。音も良くなったし、音楽としての活力も増えたようだ。結果が良ければそれで良い。しばらくはこの方向でやってみよう。