自分の楽器がストラディヴァリに(ホラ話)

土曜は東京、日曜・月曜は愛知にてレッスン。7コマ+7.5コマ+8コマ。今回も大変多くの方にお越し&ご利用頂き有難うございました。あまりにも身体がだるかったので補中益気湯(父が服用していた残り)を飲んでみたら、身体は軽くなり、言葉が出やすくなり、ヴァイオリンを弾いても指が回るようになり←イケナイお薬?^^;

月曜日の愛知は暑くも寒くもなくそよ風吹く爽やかな秋の陽気。手持ちの新作ヴァイオリン (2015年製作のもの。1700〜1710年頃のストラディヴァリモデルに思える)がとてもよく鳴る。ふと思いついて、毛替えが必要だけれど松脂をしこたま塗って無理やり何とか持たせているオールド弓で弾いてみた。

ストラディヴァリの音だ^^;

ホラ話ではあるが、「ストラディヴァリのような音」ではなく、そのものの感じに本当に思った。

私が触った事のあるストラディヴァリは20挺ほど。乾き切ったカラカラ、ジンジンするような音、華やかだがその中にどこか憂いのある音、音が停滞しておらず飛び散ろうとするような炭酸水のような音。個体によって全然違う音がするが概してストラディヴァリの音にはそういうイメージが自分にはある。

その音が出ていた。

たまたま気象条件と、張ってある弦(ヴィジョンオーケストラのADG:パワーをむしろ減らすためです。パワーがあり過ぎるとむしろ扱いにくい+ピラストロゴールドのE)と、しこたま松脂を塗ったオールド弓で条件が整ったのだろう。ちょっとしたボウイングの加減で急に鳴ったり、逆にショボい音になるピーキーな特性もよく似ている(これは楽器としては調子が良くない状態の特性。無理やり持たせている弓のせいだろう)。

ただストラディヴァリの音だからと言って必ずしも好きな音というわけではない。わたしはグァルネリの方が好み。音の良さではスタイナーの方が上質かもしれないし、ガスパロ・ダ・サロの方が神の声に近いかもしれない。ストラディヴァリがNo.1と神格化して思っているわけではない。

明日には消えてしまう音かもしれないし、補中益気湯で元気になったための幻かもしれないが、たまにこういうことがあると楽しい^^。

条件が揃うとストラディヴァリになるのです(ホラ話)。
ストラディヴァリが云々ではなく、楽器としては5年経過してとても良くなりました。
ある程度年数が経たないと正当な判断ができないのは事実だろうと思います。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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