土曜・日曜はレッスン。遠方からお越しの方もおられました。寒い中お越し頂いた皆様有難うございました。
皆様それぞれがさまざまなヴァイオリン・弓をお持ちになる。初歩向けの楽器からオールドイタリーまでとても幅広い。それぞれのヴァイオリンや弓に合わせて音を作っていくことになる。
幅広い範囲のヴァイオリンや弓を数多く触ってきた自負はあって、結果としてそれぞれの楽器の鳴らし方も概ね分かるようになった。モダンイタリーとオールドイタリーでは弾き方は全然違うし、オールドイタリーでもヴェニスとクレモナでは鳴らす力加減が異なる(板厚や形状の違いなのでしょう)。弓もトルテ系とペカット系ではまるで違う。
レッスンでもこう弾いて頂ければその楽器の能力が発揮できるはずと思ってご提案すると、だいたい思い通りの音が返ってくる。これは長年の蓄積によるものだなあと我ながら思う。
その結果「ヴァイオリンの音」が出た時は教える側としても嬉しいもの。ギコギコキコキコは演奏者の音で、それは「ヴァイオリンの音」ではない。演奏者が余計な介在をせず楽器自身だけが振動している音が「ヴァイオリンの音」だ。結果的には「ヴァイオリンの音」=「上手い人の音」だが、その時のヴァイオリンってやっぱりいい音だよ。
「ヴァイオリンの音」は450年間もの歴史の中で人間を酔わせ狂わせた音。さすが悪魔の楽器です。
