日曜・月曜は愛知にてレッスン。寒い中お越し頂いた皆様有難うございました。2週前から急転直下で凍える寒さになってしまいました。私自身は日曜は新幹線の予約を間違えたり、実家に置いてある自分のアルトワークスを少し擦ったりと厄日・・・。月曜は平穏に。

火曜日。待ち望んだイザベル・ファウスト&アントニーニを聴きに新宿オペラシティに。モーツァルトのコンチェルト1・3・4番とアイネ・クライネ・ナハトムジークのプログラム。コンチェルトは数年前にレコーディングされ、新たな名盤の仲間入りしたので、ぜひライブで聴いてみたかった。
録音とはまるで違うけれども録音より100倍は素敵な天上のモーツァルトでした!
全く濁りのないソリストの音色、躍動感あるアンサンブル。楽しい・悲しいといった感情を超えた、天使の世界や天国の世界を思わせた。もちろんソリストも素晴らしいが、ナチュラルホルンや古いスタイルのオーボエの音が何て美しい音か。弦楽器と違和感なく溶け合う音。これが管楽器なのだと。
馴染みの薄いコンチェルトの1番がこんなに魅力的とは知らなかったし、馴染みの3番は管楽器の美しいこと。ファウストも、録音のようなほとんどノンヴィブラートのような弾き方ではなく、ヴィブラートは比較的多め。つんざく音や潰れる音なんて全く無縁なプレーンな音色。使用楽器はわからないけれども、近年の録音でも使っているヤコブ・スタイナーであると嬉しいと思った。スタイナーの音の美意識でモーツァルトは成り立っていたはずなのだ。
ところが馴染みのあるはずの4番は冗長に感じてしまった。会場の雰囲気もダレてきて、前半のミューズはどこに行ったのかと。
アンコールのディベルティメントになった途端ミューズが戻ってきた!4番のコンチェルトは曲自体に問題があったのかなあと。アンコール2曲目のコンチェルト1番3楽章も前半と同じミューズのいる演奏で、もちろんお客さんも大喝采。東京のお客さんは厳しいね。
4番の前のアイネ・クライネ・ナハトムジーク。超超名曲だが、良質の演奏を実演で聴く機会の少ない曲。良いアンサンブルで聴くとこれほどまで凄い曲なんだ!全て落ち着くところに落ち着き、見える情景が多彩。
私自身の心情として安心感も。レッスンでいつもお話ししている、弓の圧力をかけないボウイングやかけすぎないヴィブラート、エレガントな表情など、間違ったこと・時代錯誤なことをお話しはしていなかった。むしろガリガリした音でやたら感情むき出しで弾くよりこちらの方が最先端だよと。
古楽アンサンブルではあるが、弓の持ち方など弾き方もさまざま、楽器も肩当てがあったりなかったりなど色々。コントラバスがフレット(音程調整のためか平行ではないフレット)付きの小型楽器だったのが印象的。でもそんなことがどうでも良いほどに天上の音楽を聴かせてもらえました。
素敵なコンサートが聴けたこと。少し早めのよきクリスマスプレゼントになりました。
