ドミニク・ペカット

土曜は東京にて、日曜・月曜は愛知にてレッスン。特に月曜は大盛況でした。お越し頂いた皆様有難うございました。

ドミニク・ペカットについて思うことが。ペカットといえば、ジャジャ馬で主張が強く融通が効かない剛弓、とされる。でも、そのイメージと実像はいささか異なるのかもしれない。

トルテとの対比で陽と隠、柔と剛、ストラディヴァリとグァルネリ・デル・ジェス、ストラトキャスターとレスポール、政宗と村正、保守党と労働党、民主党と共和党・・・、といった関係だろうか。

そういった知識は持ちつつ、そういうものかな?少し違うのでは?とも思っていた。トルテは凄みが出て、ペカットは繊細かもしれないと。

トルテは個体差が少なく、ペカットは個体差が大きい。トルテの方が見た目の個体差はあるが弾いた感じや音は一貫しているのに対し、ペカットは弾いた雰囲気自体が異なる(ペカットとされるアンリも多いとも言われ、そのためかもしれない)。

トルテは神を思わせる迷いのなさを、ペカットは人間らしく迷う存在に感じる。実際出てくる音楽もトルテは超然としているのに対して、ペカットは情緒的・人間的とも言える。その点でペカットはロマン派が似合う。

ようやく先入観から離れることができるようになったかもしれない。先入観から離れるには多くの実体験が必要なんです・・・。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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