サイト更新「ヴァイオリンの演奏技術は地味:9割、派手:1割」

水曜・木曜は東京にてレッスン。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。特に暑い中お越し頂いた方々有難うございました。

「ヴァイオリンがわかる!」サイトの更新をした。「ヴァイオリンの演奏技術は地味:9割、派手:1割」のタイトルで書かせて頂いた。よろしければご覧ください。

https://www.violinwakaru.com/wdprs_ex/20/ヴァイオリンの演奏技術は地味:9割、派手:1割

Facebookに書いた内容とは別観点で。嘉門達夫の「ジミー&ハデー」なんてあったなあ^^。

実体を伴わない中身のない派手さが鼻持ちならないのは「羊頭狗肉」「フェイク」を感じさせるためだろう。偽ブランド品のようなものだ。逆にその判断には1割の派手な部分ではなく9割の地味な部分を見なければいけない。基本的には本物より多くの叡智が注ぎ込まれた偽物は存在しないためだ。

ヴァイオリンならラベルや裏板の虎杢の模様や色艶の深みに目がいくものだが、良し悪しの判断のために見るところはブロックやライニングといった外からは見えにくい構造に重要な部分だ。地味な事ができていることが楽器の善し悪しを決める。

レッスンでも演奏技術の構造に則しているかどうかを見ている。音程や移弦にともなうノイズなどは適切に弾けていればそのうち解決できるが、ボウイング・フィンガリングを司る身体の使い方や力加減など地味な要素が間違っていれば、決してうまくは弾けないものだ。

地味な事:構造の適切さとも言える。適切な構造の上にしか、装飾も超絶技巧も存在し得ないものだ。

こういう色を見て「オールドはいいねえ」なんて言われるものですが、外観で分かることはほとんどありません(全体の雰囲気で分かる事は多いですが)。ブロックやライニング、板厚のグラデーションがきちんとできている事を確認します。構造がきちんとできていれば結果として良い楽器になるもの。お持ちになった楽器や弓の構造が良くない場合は状況に応じて口を濁す事はありますが・・・。

別観点で自動車の話。所有のアルファロメオ。チャラい車の代表格のようだが、147GTAも手放した4Cもものすごくボディがしっかりしている。先日乗った最新型のVWゴルフがむしろ頼りなく感じるくらい(コストダウンを感じた)。だから気持ちよく楽しく乗れる(変なところが壊れますけどね)。こう言うのが歴史が作る実力なのだろう。

テキトーそうに思えますがイタリア人は驚異的に真面目に製品を作るのです
日本人の比ではないくらいに
ヴァイオリンも同じですが決して格好だけではないのです

よろしければこちらなんかも。濡れた路面で100キロで急ハンドル急ブレーキのテスト。アルファロメオはコントロールを失わないのに対し、ホンダは外に流れてしまう。基礎をきちんとやる事こそが安全をもたらすことにも。自分自身も4Cを高速道路で運転していた時、サルが飛び出てきて急ハンドル急ブレーキをしたことがあったがびくともせず回避した。これが地味なことを積み上げた結果だ。演奏の善し悪しはこれと全く同じだ。