弦のテンションと胴体の響き

火曜〜木曜は東京にてレッスン。4コマ+8コマ+7コマと今週も大変多くのご利用&お越し頂きました。世の中が不安な状況の中(木曜朝の緊急地震速報にもこの状況で大地震が起こったらと青ざめました)、本当に有難いことと思います。お越し頂いた方にはオンラインではできない合奏での練習などを優先してやらせて頂いたケースも。ご利用&お越し頂いた皆様有難うございました。

手持ちのアコースティックギターの弦を久しぶりに替えた。ミディアムゲージからライトゲージへとテンションの低い弦にしたら楽器全体がよく響くようになった。新品で購入して8年ほどのギターで、当初はミディアムで無いと鳴らなかったのが、楽器が成長(熟成?劣化?)したのだろう。

ヴァイオリンでも弦のテンションは楽器の響きを決める重要な要素だ。テンションの強い弦の方が鳴りそうな気がするが、楽器に対して強すぎるテンションではむしろ響きは抑え込まれてしまう。その楽器にとって強からず弱からずの程よいテンションの弦で響く音は出る。

手持ちのヴァイオリン・ヴィオラでも合うテンションはさまざまだ。オールド=弱いテンションでは無い。楽器の強度に見合うテンションなので、古い楽器も板の厚めの楽器はハイテンション弦でも良いかと思う(材料が枯れて強度も増しているため。板が厚めのグァルネリだったりモダンイタリーにはハイテンション弦は合うかもしれないがストラディヴァリには疑問だ。そのためか弾いた経験上、妙に甲高い音のストラドは多いように思える)。新作楽器は上記のギターのようにしばらく経つと合う弦も変わってくる。

まずはドミナントを張ってみてそこから強めにするか弱目にするか周波数の分布も見ながら試行錯誤をする。手持ちの楽器はどれも胴体が良く響くため、比較的弱目のテンションの弦の方がよく響いて音も品がよく好みだ。

周波数分布はiOSのアプリで簡単に調べられます(画像はSonic Tools SVMというアプリ)。専用の測定器ほどの精度はないかと思いますが、いろんな事が分かって面白いです。iphone XSのマイクも実測で80Hz〜19kHz程度までは拾っていて思った以上に優秀と分かりました。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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