カプリースのアップボウスタッカートでの発見

染井霊園の桜はほぼ満開になりました。見頃です。けれども花見客はほぼゼロ。レッスンにお越しの際にはよろしければぜひ。

金曜日は自分の車の12ヶ月点検のために千葉北の購入店へ。ここはフェラーリ専門店でオーナーさんが乗っていた車を譲っていただいた。今回もフェラーリの修理など興味深いお話を伺えました。フェラーリでは性能向上のためにガソリンを冷やすためエアコンを利用しているのだと。さすがイタリア総合的に合理的に考える!

先日パガニーニのカプリース21のレッスンをしていて気づいたこと。アップボウスタッカートの動きが移弦との組み合わせで合理的に実現できるようになっているのだと。普通に移弦して弾くだけで鮮やかなアップボウスタッカートができるよう音の並びが考えられている!

パガニーニのカプリースは演奏の動作が全体の組み合わせでとても巧みにできている。難しそうに見える部分も左手が合理的に動くように右手の動きやアーティキュレーション、デュナーミク、弦の選択が考えられている。ヴァイオリン演奏とはこういうものなんだと驚かされる。

接する都度、常識的なことを組み合わせて容易かつ効果的に見せる工夫の発見があって、パガニーニは総合的・合理的に考えられる頭の良い人だったのだと思わせられる。ルジェロ・リッチの「パガニーニから演奏を学んだ」という言葉。確かにそう思う。

アップボウスタッカートはスタート時に弓を引っ掛けて発音時の弓のしなりを利用するものだが、移弦による弓の圧力の変化が利用されているとは!今回初めて発見できたことです。嬉しい。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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