脱力=ヴァイオリンの反応を感じ自身の音を聴いて

X(旧ツイッター)での毎日のお話をこちらに移してくることにしました。

ヴァイオリンの演奏では脱力とよく言われますし、うちでも「そんなに一生懸命弾かなくていいから」は毎日のように言っている言葉です。弾き過ぎになって破壊的な演奏になっているケースはとても多いもの。火力が強すぎて焦がしてしまっているようなものです。

けれども脱力自体には意味はありません。力を抜けば良いってものではない。火力が弱すぎれば調理はできません。

ヴァイオリン側の反応を感じて適切な力加減で弾く事。弾く楽器や弓、弦や松脂などで力加減は少なからず変わります。エヴァピラッツィを張ったモダンイタリーをモダン弓で弾くのなら、それほど脱力する必要はありませんし、オイドクサを張ったオールドイタリーをオールド弓で弾くなら本当の意味での脱力が必要です。

曲によっても力加減は変わります。モーツァルトを力を入れて弾いてしまったら破壊でしかありませんが、チャイコフスキーなら力はある程度必要なはずです。

相手の都合を考えず演奏者が出しゃばると音楽を破壊します。脱力は自分の音を聴いてと言う事なのかもしれません。究極の難易度になってしまいますが・・・。