毛替えと剥がれ修理:謎の多い弓は楽しい^^

火曜日は午前中から弓の毛替えと剥がれ修理のために出かけた。夕方にレッスン。お越し頂いた方有難うございました。

手持ちの弓の中で最も面白いもののひとつ。トルテスクールとして購入したが、フロッグやボタンはオリジナルではないし、ステックも見た目は非常に良い形であるものの「トルテかあ?」なものだ。自分としては作者不明の異常に良い音の出る弓。単純に答のある物は面白くなく、よく分からない物の謎解きが楽しいのです^^。

ヘッド下部にチップとの間に直しのある弓。
従って骨董価値は低いし、実際に購入価格も高くない。

毛替えの際にヘッド内の毛を巻き込む部分を見せてもらった。表から見える直しが裏まで続いていた。そしてヘッド内部の見えないところはグチャグチャで加工がされている形跡がある。大変面白い。

何らかの理由で直す理由があったのだろう。ヘッドが軽いので重りを入れようとしたのかもしれない(実際そういうこともあります)。過去の毛替えの際にヘッドを割ってしまってヤベっと直して、見えないところは適当につじつまを合わせたのかもしれない。手元側も後世のフロッグを作るときに多少削って合わせたのかもしれない。

音の大きさや周波数レンジの広さは事実なので、音の良い性能の優れた弓であるとは言える。でもこの弓の経てきた歴史を考えると謎の多い弓で楽しい^^←だからといって何になるわけではなく単なる趣味です。

この部分のニカワが剥がれノイズが出ていた
接着して頂いたらノイズは解消してG線の音が太くなった

長居してしまいました。ご対応頂き、面白いお話を多くお聞かせ頂き有難うございました。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

石田 朋也をフォローする
楽器や弓、アクセサリーの話お出かけしました驚いた・感動したお話思うこと