水曜・木曜は東京にてレッスン。急遽お休みになってしまった方もおられたものの6コマ+4コマとなりました。木曜は空き時間で動画の撮影もしていました。ご利用・お越しの皆様有難うございました。
レッスンでお越しの方から「クラシック音楽を好きになってもらうには?」と興味深い命題を頂いた。
大変奥深いお題だ。「誰かに何かを好きになってもらう」は「子供にピーマンを好きになってもらう」という命題から、ビジネスのブランディングにまで通じる人類共通のお題だ。
自分自身はクラシック好きとは言えないかもしれない。クラシックマニアの人のような知識は持ちあわせないし、曲に広く詳しいわけではない。ヴァイオリンは仕事柄そこそこ詳しいとは思うが、好きかと言えば長い付き合いだけに愛憎半ばする存在だ。
自分がクラシック音楽を誰かにお勧めするのなら・・・。数年以上聴き続けて今も心底面白く感じ何度も聴くものをお勧めするかな。
例えば、ヴィヴァルディの「四季」を昔のイ・ムジチの演奏で聴いたら嫌いになってしまうだろう。実際面白くないし。ファビオ・ビオンディの演奏で「夏」や「冬」を聴いてもらったら面白く思ってもらえるかも。「クラシック音楽も当時はこんな描写的な生々しい音楽だったみたいだよ」と口添えして。
ヴァイオリンのソロ曲だったら、ハイフェッツの弾くツィゴイネルワイゼンかな。名演奏とされるものは多くの人に歴史を超えて受け入れられる要素を持っている。「この人がヴァイオリンの神様と言われる人なんだよ」と口添えして。
それを「まあお好きな時に」と。それ以上は勧めない。
ふーむ。学校の音楽鑑賞のスタイルはクラシック音楽を嫌いにさせる条件が揃っているなあ・・・。面白くない演奏を、面白さの説明なく、強制的に聴かされる。確かに「クラシックは高尚で」と避けられるわけだ。
またクラシックの演奏家が敷居を下げるようとポップスを演奏するのもクラシック嫌いを増やす原因だろう。ポップスのこだわりを理解なくクラシック奏者が演奏して面白いわけがない。エレキギターのこだわりは多分クラシック奏者にはほとんど理解できないだろう。ポップスの人も命をかけて音楽を作っているのだ。