鳴りが良くなったら弾き方の発見が

土曜日は東京にてレッスン。この日は余裕の日程でしたが、お越し頂いた皆様有難うございました。その分、自分の練習が多くできました^^。パガニーニのカプリースをいくつか弾いたり(もちろん満足に弾ける腕前はありません)、好きなバッハの無伴奏チェロ5番をヴィオラで弾いたり。

手持ちのオールドヴァイオリンを生米で胴体内部の掃除をした。ノイズが無くなったのと同時に鳴りも良くなり、かつピッチ感も良くなったようだ。鳴りの良い楽器の場合、演奏者に聴こえる音程と客観的な音程が異なる場合があり、この楽器ではウルフのある「シ」の音の音程感に気を遣う。鳴りが良くなったのでピッチ感を心配したが、概ね自分の意図する「シ」とチューナーでの「シ」が一致して安心した。

鳴りが良くなって嬉しくなってあれこれ弾いてみた^^。低音が強くなり残響(サスティーン)が伸びた。残響が伸びると重音のバスの音が聴こえ続けアンサンブルのように聴こえる。

この特性を活かしカプリース4番で試したら、ギターのフィンガリングになぞらえ左指を押さえたままの方が効果的・合理的な箇所が多く見つかった。パガニーニはギターの影響を強く受けていることは確実だが、これまで気が付かなかったことだ。ギターでもブーシェやマゼといったサスティーンの長い楽器では左手の押さえ方に工夫が必要だ。同じ発想が使えるかもしれない。

子供の頃に習っていた先生に「バッハを3億5000万円のストラドで弾いたらバスが持続して・・・」と伺ったことがあった(当時その値段ならゴールデンピリオドだろうか)。そんなことを35年経っても覚えているのが驚きだが、それを実感した。

習うこと、それを長い時間かけて反芻すること、ある時習ったことの意味を実感すること。大事だなと思います。

このへんの三重音が連続するところ。ギターで1フレットずつ上がっていくような押さえたままのフィンガリングをした方が合理的で響きも良いと気づきました。パガニーニは駒が低かったとされる。テンションの緩い楽器ならよりサスティーンは長く、さらにより低音の強いグァルネリなら大変効果的だったと想像できる。こう言う発見嬉しい!