2年8ヶ月待ち望んでいたファビオ・ビオンディ&エウローパ・ガランテのコンサート!2020年3月公演のチケットを取っていたがコロナで中止になった。その時と同じヴィヴァルディの四季を中心にしたプログラム。伝説の「四季」の生演奏が聴けるかとワクワク^^

良くも悪くもイタリアン。批判的評価をするのなら、アンサンブルは精緻とは言い難いし、バロック楽器とは言え音程もラフだ。日本のコンクールならアウトだろう。でもそれは価値観の違いで、まれに見る生きた演奏&楽しいコンサートだった^^。
ビオンディよりも、アンサンブルの方々それぞれが自分がやりたい音楽をやりたいように弾く様子が印象的。動画で見るエウローパ・ガランテの雰囲気とはだいぶ違い、見た目にも大きなアクションの方もいて生き生きとしていた(2ndヴァイオリンやヴィオラの人が楽しそうで見てる側も楽しくなる)。
古楽でよく言われるヴィブラートも人それぞれ。マルテレにするかスピッカートにするかも人それぞれ。演奏の表情も人それぞれ。いかにも民主主義的・イタリアン的で統率があるように思えないが、そこからプロのコンサートでは滅多に聴かれない生きた音楽が生まれていた。
現代の感覚ではアマチュア的と言える。でもそれこそが音楽で、生きた演奏になっていた。「アマチュア」というのは「素人」とは違い「愛する人」という意味だ。プロじみた無難にこしらえられた人工的表情の演奏とは全然違うものだ。アンコールの1曲ハイドンでさえも「愛する人」が弾けばこんな生きた音楽だったとは!
客も本当に聴きたい人・楽しみたい人が来場していたように思え大喝采。大ホールで格好をつけるための招待客だらけが一昔前のよくあるコンサートだった。大きくないホールで聴きたい人がお金を出して聴きに来て喜んで帰る。これがコンサートの幸せな形で、かつ現代的な形なのだ。私もその1人になれた。
レッスンにお越しの方にもおふた方お会いできた(お会いできなかった方もいらっしゃったかもしれない)。楽しい時間を共有できて私も嬉しく思います^^