火曜〜木曜は東京にてレッスン。3コマ+7コマ+3コマと火曜、水曜は多くの方にご利用&お越し頂きました。木曜日は余裕ある日程。疲労蓄積感+落込み気味の気持ちの回復に使わせて頂きました。久しぶりに自宅のオーディオでオイストラフの弾くブラームスのコンチェルトのCDを聴いたら元気になりました^^。
最近読んだ本に「モダン楽器になって演奏が容易になった」旨の記述があって、「!?」と思った。1800〜1820年頃からオールドイタリーからモダンイタリーにヴァイオリンの構造が変化しているし、同時期に弓も現代の形に変化した(ただ弓の呼び方としてはモダン弓と言えるのは1900年以降だろうか)。この時期に急増する演奏需要に演奏が容易になるようなニーズもあっただろうと想像はできる。
そこで手持ちのモダンイタリー(デガーニラベルだが作者不明のよく分からない安く買ったヴァイオリン。ただ音はモダンイタリーとしてとても良い)で多めに弾いている。木曜日の空き時間もこのモダンイタリー+モダン弓(1925年のフェティーク)でブラームスのコンチェルトをさらったりもしていた。
オールドに比べるとモダンは気を遣うことが少なく練習として楽。力を入れて弾けるし、敏感すぎないのは楽だ。それは言えそうだ。ただ「モダン楽器になって演奏が容易になった」というのは今のところ私にとっては疑問だ。
「現代の自動車が昔の自動車に比べて運転が容易になったか?」という命題に近いと言える。自動ブレーキで事故は起こりにくくなった。自動追尾クルーズコントロールで渋滞時も気を遣わなくなった。けれども、クラッシャブルゾーン確保のため車幅が大きくなりすれ違いでは気を遣うことも多いし、4隅の視認もしにくくなった。
「楽器の変化で演奏が容易になったか?」はもちろん結論が出るわけではなく、でも音楽演奏をする上で結構大事な問題として心に引っかかり続けている。

手持ちのモダンイタリー(イタリーではあると思われる)とモダン弓です。
その時代のものとして音は良いと思いますが、演奏が容易になるかは疑問。
「モダン弓が操作性に優れる」と言われるのと同じような疑問です。
オールドの方が本質的には操作性に優れるような・・・。