ヴァイオリンを弾く上で学ぶべき知識

火曜〜木曜は東京にてレッスン。3コマ+6コマ+8コマと今週も多くの方にご利用&お越し頂き有難うございました。

Twitterにも書きましたが緊急事態宣言が発出される見込みですが、当面対面レッスンも含め通常通り行います。データを見るに現在のところ陽性率や病床使用率はそれほどでも無いと考えるためです。ただ不安がおありの方はお休みでもオンラインへの変更でも大丈夫です。ご自身の都合を最優先して下さい。

本番2週間前に張り替えようと思っていたが演奏が中止になったので弦交換。
これまで通りADG線はドミナント、今回はE線をピラストロゴールドに。
一晩で音程は比較的安定した。ドミナントも少しずつ変わっているようです。

「ソルフェージュを学んだ方が良いですか?」とレッスンの中でご質問を頂いた。その方は的確に楽譜から音程やリズムにできるし、音を聴いて判別する聴音も充分できていると思う。ソルフェージュを習うメリットはそれほど無いのではとお答えした。

ソルフェージュを否定するわけでは無い。楽譜から音にできなかったり、聴音が不充分なケースではソルフェージュを学ぶべきと思う。もちろん楽典など音楽のルールも知らなければ知っておくべきであるし、作曲家の生涯など音楽の歴史についても知っておいた方が良いだろう。

けれども「音楽が意味する事」のベースを学ぶのがヴァイオリンを弾く上でも最重要と思う。「名演奏家が楽譜を持って森に行く」などのことで、その音の並びが意味する事を想像する力・それを他人に伝える力がなければ、それは音楽ではなく単なる音だ。

自然の力を感じる、音楽だけでなく芸術・美術を多く見る、音の物理的な性質、特にフランス革命前後200年間程度の世界史、聴覚の仕組み、社会の中での人付き合いなどといったことだ。つまり広く浅くで良いので広義のフィロソフィー全般。人としての教養を高く持とうとすることがヴァイオリンを弾く上でも大切と言える。そして残念ながら特に日本のヴァイオリン教育ではそれに欠けていることが多いと思わされる事は少なくない。

教養は見えるものを多くする。良い演奏を聴かせたいなら演奏者自身が多くのものを見えていなければいけない。多くを見ることのできる人が豊かな演奏ができるものと私は考えている。

引き続き車の話で恐縮です。

ヴァイオリンの故郷の北イタリアの文化を感じたい理由もあり購入した車。車は文化の結晶とも言える。車庫にすだれを取付。見せたくない・隠したいわけではなく、車庫に跳ねた水が入らないためと日光で曇りやすいライトや劣化しやすい塗装を防ぐため(虚弱体質な車なのです)。

戯れに”alfaromeo”でApple Musicで検索してみたら70曲くらい出てきた。重複があるかもしれないし歌詞の内容は分からないが、アルファロメオは文化の象徴なのかもしれず、すごいものを買ってしまったかもしれない。

早速イタリア語の意味のAllegro:陽気な、快活な、を実感するし、熱意ある進み具合(パワーはあるはずなのになぜか常に一生懸命)からは音楽のテンポ感の意味を考えさせられている(ベンツやフォルクスワーゲンは確かにドイツ音楽的)。こういった体験の蓄積こそが教養と思う。音楽の表情・表現が何か分かるかもと期待している。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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