水曜日は東京にてレッスン1コマのみ。残りの時間は自分の都合で埋めさせて頂きました(手前の勝手で申し訳ありません)。お越し頂いた方、有難うございました。
レッスンでAIが話題になったこともあり、AIに生成物を作ってもらうことと、ヴァイオリンで音楽をうまく弾けるようになるための指導、との関係性についてお話をさせて頂いた。やるべきことが伝わっていればと願っている。
レッスンでのお話の目標は「いい感じで弾けるようになること」。これだけでは途方に暮れるだけなので、時間をかけて多くの説明と実践をして多くの技術を習得して、その上で自分で音楽として組み立てていけるようにと進めていく。AIに望む生成物を作ってもらう指示の出し方はこれに似ている。
たまたま先日戯れに「阿波踊りを踊るドナルド・トランプ」でApple intelligenceに画像を描かせたらそれっぽい画像ができた(Apple intelligence経由でchat GPTによる生成です。Geminiなど別サービスならもっと精度が高いかもしれない)。

何かを生み出すには多くの前提条件が必要だ。上のAI写真なら阿波踊りを知っていないといけない。ドナルド・トランプを知っていないといけない。阿波踊りに典型的な動きを知っていないと、躍動感を知っていないと、季節は、時間は・・・etc。前提条件が無限にある。
レッスンでやることの前提条件は、ヴァイオリニストの「常識」をお伝えすることだ。「小野アンナ音階」「カール・フレッシュ」「カイザー」「クロイツェル」はヴァイオリニストなら誰でも知っているだろう。「デタシェ」「マルテレ」「スピッカート」「ソーティエ」は言葉は知らなくても知っていること。「ドッペルコンチェルト」「ミシミシ」「メンコン」「ロンカプ」も多くの思いと共に知っているはずだ。
これらが全て前提条件となってその上で演奏ができるようになっていく。この前提条件の組み立てがレッスンで行うプロセスで、いずれ自分で組み立てていけるよう進める。すなわち自分で自分にやってもらいたいことを指示すること。これがヴァイオリン演奏。より自分で自分に的確に指示できるのが良い演奏をするということ。自分に対する指揮者になるということだ。
AIになぞらえて考えると、レッスンでやっていること・うまく弾けるようになるのに必要なことを整理できるかもしれない。
