整備したヴァイオリンと弓をお渡しした

土曜は東京にてレッスン。多くの方にお越し頂き有難うございました。ご家族が体調を崩されてお休みになってしまわれた方もおられました。急に寒くなり体調も崩しやすいかと思います。どうぞ皆々様ご自愛ください。

お貸しするために整備したヴァイオリンと弓と肩当てをお渡し。本番で効果的な演奏ができればと願っている。上質な楽器や弓の弾き方についても1時間の範囲で詰め込んだ。誰にでも貸すわけではなく、自分の側が必要と感じた時の措置だが、それで上達できることも期待している。昔のきちんとしたヴァイオリンの先生はよくやっていた事で、教える側の矜持を持ってそういう望ましい文化は受け継ぎたい。

もちろん基本的な調整はきちんと行った。その上で小技も。弦は単なるドミナントではなく名演奏家が行っている措置を(失敗が減るはず)。顎当てはピッチが合うようネジを調整(ネジの締め加減で少なからず感触が変わる)。弓もスティックが上手く振動するようネジの調整も(潤滑性を適切にするとネジひとつでも少なからず変わる)。肩当ても適切なピッチになるように調整。新作ヴァイオリンの若さはあるが、オールドボウがある程度補ってくれる。

結果として余計なことをやらなくて音楽になる程度には仕上がった。弾こうとしなくて良いし、音程を取ろうとしなくて良い。ただ楽譜の通り弾けば音楽が生まれる。そういうのが良い楽器だ。そして人間が余計な介在をしないのが良い音楽だ。音楽は人間界より一段上の神の世界に近いものと自分は考えている。

人間が形だけこしらえるのが演奏ではない。そういった音楽自体に向かい合う姿勢についても楽器を通じて理解してもらえればと願っている。

ヴァイオリンが変わって音が少々変わって良かったねというものではない
良い楽器は自ずから音楽を生み出してくれる
演奏の半分が楽器によるものといっても過言ではない
それが良い楽器が高額になる理由だ

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

石田 朋也をフォローする
レッスンのお話演奏技術のお話楽器や弓、アクセサリーの話やってみました思うこと