美しい演奏ができるためには:まずたくさん弾くこと

「美しい演奏ができるには」。永遠のテーマ。

けれども「美しさ」を「規則性」と読み替えることで一定範囲は解決できる。規則性あるボウイング、規則性あるヴィブラート、規則性ある音程、規則性ある音量の変化・・・。規則性を乱す操作をするとノイズになる。

そして単純なフレーズの時は規則性を維持できても、複雑な事をすると規則性を維持する余裕が無くなってしまう。複雑なパッセージや重音の多いフレーズがきれいに弾けないケースはこれに該当する。単純なフレーズも複雑なフレーズも弓と弦の関係は同じなのだ。

ノイズを減らすには=美しい演奏ができるためには。

「とりあえずたくさん弾く」→「問題点を試行錯誤」→「さらにたくさん弾く」という繰り返しかと。

カイザーならとりあえず1番から12番、クロイツェルなら2番から14番をまとめて、スズキの教本ならこれまでこなした曲を全部。これを3回周り1週間。

これくらいまとめて弾いてみれば規則性を乱す原因がいくつか見つかるはず。そもそもぼちぼち弾いている程度では自分の音すら聴けていなかった事に気づくはず。手を動かさないで原因を探そうとするよりも、まず手が慣れる程度に大量にこなす行動からをお勧めしたい。たくさんの練習は最も簡単なことなのだから。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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