演奏する道具としてきちんとできているか

水曜は東京にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。ご連絡に不手際のあったケースがあり申し訳ありませんでした。また久しぶりにお越し頂いた方もおられお元気なご様子に嬉しく思いました。ここのところ久しぶりの方からご予約も続き嬉しく思っています。

お越しの方が入手なさったヴァイオリンを拝見。調整の余地はあると思ったが、演奏する道具としてきちんとしている楽器で安心したし、伺った値段も割安のようで良い買い物。良い物を充分安価に入手なさるのは教える側からしても嬉しいものです^^

自分のを含めヴァイオリンやギターを評価する時に「演奏する道具としてきちんとしているか」は重視する。今をときめく製作者でも有名な製作者でも演奏する道具として不適切なものも見かけるし、作者不明でも楽器として素晴らしい「いい仕事をしていますね」と言えるものもある。自分は名より実を取りたい。

重要視するのは楽器としての構造。指の関節でノックして周波数の分布を聴けば振動板としての出来は把握できる。巻き尺で胴長や横板の高さ、弦長やストップ長を測れば楽器としてのルールに沿って製作されているか把握できる。ライニングを見れば音響に配慮されているか把握できる。

こういったチェックでヴァイオリンの製作メソッドに沿って作られているか判断できる。ヴァイオリンも多くの工業製品と同じく、思いつきや見様見真似では製作不可能なもの。きちんとできている楽器はきちんと学んだ製作者の手によるとほぼ判断できるし、そういう楽器は一定の価値もある。逆にこの程度のことすらきちんと作られていなければ、製作国や製作者を問題にすることもないし、価値もないに等しい。

きちんとできた楽器で弾くことは上達にもつながる。活きた音楽も生まれる。良い循環になることが嬉しい^^。

最近になって整理したし、この時点以前に手放した楽器もありますが
ヴァイオリン属はこんな感じで然るべきものを多く購入して研究材料に
全部、音響的にチェックも測定もしています

以前やっていた撮影の仕事の必要作業として、楽器店でも名品を含めた多くの楽器を
音響的チェック(剥がれの事前チェック)や寸法の測定(実物大写真にする場合もあったため)を
行ったなあ・・・。やはり良い楽器ほどきちんとできています

ヴァイオリン以外の楽器でもこんな調子でした
楽器として適切であるかは面白いくらいヴァイオリンに通じます
さすがに増え過ぎたため一部整理しました

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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