「良い音色」とは〜方法は多くあれど原則はシンプル

土曜日は東京にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。暑い中お越し頂き恐縮です。でも夏場の方がボウイングもフィンガリングも容易になる面もあり、そういったお話もさせて頂きました。夏はヴィブラートやソーティエ、アップボウスタッカートなどが上手くなれるチャンス。確かに夏合宿は有効と思うのです^^。

極力毎日水泳に行くようになって、「うまく速く泳ぐこと」とはと考える。もちろん多くの本を読んで勉強しては実践するわけだが、

・身体が進むように水をかく
・水の抵抗を減らす

これに尽きる。シンプルだからこそ奥深いと感じている。

ヴァイオリンの「良い音色」とは。これは機会あるごとに記しているが

・楽器を振動させる
・その振動を止めない

これに尽きる。これもシンプルだからこそ奥深い。

こういったシンプルな手法は自分は好みだ。もちろん「そんな単純じゃないよ」という意見も理解できるし、実現方法は幅広く考えられる。

自分自身もかつては複雑に考えていたが、結局は楽曲が上質なものほどシンプルな方法が望ましいと思うようになった。特にバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは弾き方自体もシンプルな原則を突き詰めたものが望ましく、余計なことをしない方が曲が生きる。同じ弾き方では、ラロ「スペイン交響曲」は弾けないが、曲の格から言って同列と扱う必要もないと。

投資家ウォーレン・バフェットの有名な格言
「投資の第1ルールは、絶対に損をしないこと。第2ルールは、第1ルールを忘れないこと」
実にシンプルだ。こういった発想あらゆることに当てはまるので思考実験として楽しい。

良い音色・良い演奏は「普通のご飯を美味しく炊く」ことに似ています
シンプルな原則に忠実に沿うことが美味しく炊く秘訣
美味しくあろうと安易に味付けを始めるとおかしな味になっていく

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

石田 朋也をフォローする
レッスンのお話演奏技術のお話楽器や弓、アクセサリーの話音色のお話思うこと