土曜日は東京にてレッスン。お越し頂いた皆さま有難うございました。
ヴァイオリンについてChatGPTを使った斬新なアイディアをお聞かせ頂いた方もおられ、アイディアを頂き有難うございました。また弦楽器専門店のアドバイスに従って駒を交換なさって、劇的に良い音の楽器になった方もおられました。新しい状態で上手く音を出すお話を多くさせて頂きました。楽器は物理なので楽器に応じた弾き方が必要で、駒交換など変化があれば少なからず演奏を変える必要があります。こういったお話、自分としても得意分野ですし、やりがいもあり分かりやすく結果も出るもので嬉しいものです。
先日の「お手本のようなバッハ無伴奏」。その演奏者のクリストフ・ティンペは、ラインハルト・ゲーベルに師事したと記されていた。この日記で紹介する演奏家や音源や楽器など、内容に信頼性が担保されているか毎回確認している(思いつきや単なる流行、デマを拡散したくはない)。今回もゲーベルについて調べ音源も探す。自分は知らなかったが、この方は古楽の第一人者ということだ。
その中でパッヘルベルのカノンの音源が見つかった。あの超有名でレッスンでも初歩の方には必ず取り組んで頂くカノン。聴いてみたらまるで別物で驚いた。舞曲でダンスの身体の動きが見えるような演奏。カノンも舞曲とは考えたこともなかった。これ1983年の録音で、現代の古楽演奏に通じる演奏が40年も昔から存在していたとは全く知りませんでした。
この時代、ユダヤ系の演奏家が世界を席巻していて、ドイツのソリストや楽器は冷遇の時代だった(カラヤン&ベルリンフィルは全盛期だったが)。けれども、これほどまで現代のスタイルにそのまま通じる先進的な古楽演奏が既になされていたとは。
あの「パッヘルベルのカノン」です。
聴き古された悪い意味での「クラッシック音楽」の象徴のように思っていましたが、
こんな生きた音楽だったのですね!