寄せ集めアマティをどう思いますか?

水曜はレッスン。花粉と黄砂の飛び交う中、しかもとても暑い中お越し頂いた皆様有難うございました。3月に「お暑いところお越し頂き」とご挨拶するとは・・・。

花壇のチューリップは既に開き切り

染井霊園の桜は開花から2日だが木によっては満開

お越しの方に楽器についてのお話を教えて頂いた。内容は差し障りがあるのでネットでは書かないが興味深い話(公にするべきではない話はヴァイオリンの世界にはいっぱいあるのです。書けることはかなり限られる)。

ただ、それに関連して。弦楽器オークションのTarisioのロンドンオークションで興味深いヴァイオリンが出品されていた。ヘッドと裏板だけ1662年のニコロ・アマテイ、表板はオランダの作家による1690年ごろのもの、横板は新しいものという、コンポジット楽器。

本物のニコロ・アマティと言えなくはないが五体満足ではない。値段は35000ポンドとアマティにしては安いが安価なわけでもない。動画で見る限り音も悪くなさそうだ。

他にも胴体はグァルネリファミリーで後世のヘッドのもの、ニューヨークオークションではニコラ・ベルゴンツィの胴体にグァダニーニのヘッドのものが今回出品されていた。

こういう寄せ集めヴァイオリンや、寸法を縮められていたり形を変えられているヴァイオリンは少なからず存在する。本物なんだけれども手が加えられている。発覚すれば当然価格は安くなるが、もちろんケチをつけられないように巧みに作られている。

こういうヴァイオリンをどう思いますか?

自分で考えたり手間をかけたくない人には向かないだろう。安くて問題の無いなんてあるはずがない。確実に良いものを欲しければそれなりにお金を出すべきだ。

多くの人は忌避するだろうけれど、自分なら音が良くて割安なら喜んで買う(実際そういうのも買っている)。むしろ五体満足で状態も良くさらに安い楽器の方が不安だ。真っ赤な偽物の可能性が高いからだ。そして怪しげなものの方が研究の楽しがいがあるし^^;

そうやって真贋ははっきりしないものの入手した自分のヴァイオリンや弓
購入後の研究・検証の手間や時間は膨大だったが
良い楽器と確信が持てたので自分としては満足