土曜は東京にて、日曜は愛知にてレッスン。東京は盛況になりました。お越し頂いた皆様有難うございました。いつもながら作曲家(ベートーヴェンですが)の格の違いを思い知らされました。どうしてバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは音次第で音楽が成立するかどうかが決まるのでしょうね・・・。
人並みの探究はそれなりにしてきた。子供の頃から先生にご指導頂きつつ多くのヴァイオリニストと同じような練習はしてきたと思うし、仕事にもしながら王道とされる楽器・弓を数多く触る機会を得てきた。松脂や弦を取っ替え引っ替えしたり、有名演奏家の音源や映像を聴き込んで完コピを目指すのはヴァイオリニストなら普通だろう。
その一方でおかしな探究も数多くしてきた。
顎当てやアジャスターのネジの締め具合・潤滑具合、マッハワン肩当てを日光に当て音調整、シンセサイザーでの音作り、ギターとヴァイオリンの名品の共通点、弓を持つ位置や左手の押さえ加減、各国の料理・自動車と音楽との文化的関連、etc。方向を見失っているとも思いつつ、どれも思った以上に面白い結果が出た。
そして今のおかしな探究のブームはメガネと演奏。
きっかけは昨年末20年ぶりにレッスンのメガネを替えたこととAmazonで買った安物のオーバーサングラス。年齢相応に強い光に弱くなり老眼が進んでいたが、見やすくなっただけでなく生活や演奏に影響が出て興味深く思った。そこで、眼鏡店のお正月セールで、外出用と動画撮影時の眩しさを避ける思惑もあり、某有名ブランドのフレームできちんとした度付きサングラスを作ってもらった。
自分の好きなアイザック・スターンの老眼鏡を真似して太縁のフレーム。サングラスメーカーは不案内なのでセールをしていた自分でも知っている有名ブランドの大定番モデル(品質によるトラブルがありひとまずブランドは伏せておきます)。ネット通販でレンズ込みで14,000円でできた。
これをかけてヴァイオリンを弾くとなぜか音が太く重厚に。楽器なら100万円の差になるし、弓なら50万円程度の差は必要だろう。弦ならオリーブの、松脂なら古い缶ベルナルデルの印象。メガネによって腕の動きが変わるためのようだ。
前半軽いメガネ、後半重い度付きサングラスです
大差ないと言えば大差ありませんが、これだけの差は結構大きな差なのです
これがとても面白く思ったので深掘り。
眼鏡店でそのブランドの商品を数多く観察、トラブル内容の把握、モデルによる腕の動きの変化を把握。既に生産中止の型番のフレームでなので中古にて探す。状態の良さそうなのが野田のセカンドストリートと足立区のトレジャーファクトリーにあったので、車で出かけてトラブルがないことを現品確認をした上で両方とも買ってきた。6,490円と6,600円。
つまり同じのを3本用意。バカだ。我ながら異常行動だ。けれども、どれも同じ傾向の音が出るし、レンズの重さの影響もあると分かった。
ひとつは自宅練習用に。30cmの焦点距離で偏光ライムイエローのレンズの仕様で既に眼鏡市場に発注した。もうひとつは透明メガネとしてガラスレンズを使ってより重くして人前での演奏でも使えるようにするつもり。
長い時間をかけた執着心だ。おかしな探究をしていると自分でも思いつつ楽しい。スターンもオイストラフもミルシティンも老眼鏡は太縁フレームだ。アメリカンロックミュージシャンも。こんなおかしな探究でも何か分かって変われるかもしれない。