グァルネリ

水曜・木曜は東京にてレッスン。木曜は大入りになりました!私も頑張りました!お越し頂いた皆様有難うございました。

ここのところ楽曲についても楽器についても、また演奏についても頭の中の整理を試みている。先入観を排除して事実に基づく考察といったら良いだろうか。

先日のドミニク・ペカットに続いて、グァルネリもイメージと実体が異なる製作家のように思える。ストラディヴァリの正統に対する異端のイメージ、血生臭い逸話もあるくらいに荒くれ者のイメージだ。

グァルネリとされる楽器も少なからず触ったが、見た目はわかりやすく様々な反面、音には一貫性があるように思える。むしろストラディヴァリの方が音にばらつきが多い印象だ。これが何を意味するのか。

グァルネリファミリーは有名な製作家で5人。それぞれ製作スタイルが少なからず異なる。クレモナにいたのは爺さん(アンドレア)・父さん(フィリウス・アンドレア)・特に有名な人(デル・ジェス)と三代に渡る弦楽器製作の工房だ。現代の芸術家の突然変異的なイメージと違い、代々続く家業を本家で継いだ人物だ。実際、お父さんの楽器製作を少なからず手伝っていたようだ。

自分の経験では、アンドレアはスタイルも音も一貫性があるように思える。フィリウス・アンドレアは実体験のサンプルが少なくよくわからない。デル・ジェスは見た目のスタイルはバラバラなのに音には一貫性が。適当に作っていたわけでも荒くれ者だったわけでもなく、そうする必然性があったのだろう(多分経済的事情。ストラディヴァリが関係していると思う)。

他人の夢を壊すことは自分の望むことではないので、考察結果は記さないが、多分真実はつまらない事なのだろう。ヴァイオリンは決して芸術品でも美術品でもなく、注文製作による実用の単なる道具と思えば当然の理由とも思う。

ペカットと同じく、別に世間の評価に異を唱えるつもりはない。けれども先入観が実態を見えなくしてしまう事も多いものだ。自分の中でストーリーを再構築するために、無責任に推理をするのは楽しい^^

世の中にはこんな書籍もありまして

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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