ヴィタリ「シャコンヌ」

水曜・木曜は東京にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。今回遠方からお越しの方も、初めてお越しの方もいらっしゃいました。私の側もいつもながら初めての方には緊張します。うまく伝わったか心許ないのですが、お話をお役立て頂ければ幸いに存じます。

今回のレッスンでもお話ししたヴィタリ「シャコンヌ」。いわゆるお稽古練習曲&発表会の曲。多くの方が取り組んだ経験のある曲のひとつだろう。うちでも多くの方が弾かれるようになって嬉しい事。

この曲は「主にボウイングについて様々な技術を実践してみよう」の扱いで進めている。この曲に取り組む段階の方にとってはおそらく初めてになるリコシェなども含み、様々なパターンが出てくるので、ボウイングの練習曲として使える。

それから基本的な表情づけ、最低限の解釈についても。あまり突っ込んだ話はこの時点ではしないが、曲らしく弾く基本的な発想はここである程度進める。

お越しの方(女性の方)からかつて「女々しい曲」との評を伺って、自分自身にはそういう発想がなかったと新鮮に感じた。確かに情緒過多の曲かもしれない。しかも曲の強さがないので曲を活かすも殺すも演奏家次第。

この曲の理想の演奏・・・ハイフェッツ盤が強力な演奏だ。名手にかかれば凡作も大名曲に変わる好例だ。あまりにも強力すぎて、ハイフェッツのように弾ける人は誰もいないが、理想を知って頂きたいとは思う。

都度、理想と理想を実現する技術については示すようにしている。すぐにできなくても理想がいつか実現できれば良い事だからだ。いつかハイフェッツみたいに弾きたい。自分にとっても永遠の理想だ。

ボウイングのいろんな練習になり得ます
例えばスラーとスタッカートの組み合わせ
弓の性質を理解していないと弾けないです

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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