水曜・木曜は東京にてレッスン。お越し&ご利用頂いた皆様有難うございました。だいぶ中心気圧は弱まったもののどうぞ皆々様台風による大雨や強風にはお気をつけてお過ごし下さい。今朝の東京もかなりの大雨です。
先日レッスンで興味深いご要望を伺った。パリパリと弾けるようになりたいと。「それ自体は簡単にできることなのだが、パリパリを目指すのはどうかと思う」とお話しさせて頂いた。
写真の輪郭補正と同じで、音の輪郭をハッキリさせればパリパリと上手そうに弾けているようには聴こえる。ボウイングは弓を弦に叩きつけ擦り付けるように、フィンガリングも指板をバシバシと叩くようにすれば簡単にできる。
ヴァイオリンの演奏の形容として「バリバリ弾く」というのもある。自分自身もバリバリ派だった。でもそういう演奏は自分ではもうやらないようになった。薄いし汚いからだ。
西洋の音楽であるためには味の濃さとクリーンさが必要だ。単にエッジの強い音で弾くのは強く聴こえても味は薄くなってしまう。それは汚いだけの演奏だ。
本当に上手い人(=世界的巨匠)は、決してバリバリ・パリパリ弾かないんだよな。左手の動きは遅く見えるし、右手もアタックの後のリリースが必ずある。弓を当てる時にガッ、ギッという音は決して出さない(ガギグゲゴのガ行の音は出さないようにと自分自身も大人になってから習った故玉置先生に何度も指摘された)。弓は弦にぶつけず、必ず置いてから弾くもの。
曲によってはそういう弾き方が向く場合もありますが・・・。センスの問題ということになってしまいますかねえ・・・。先日レンタカーで運転してみたトヨタクラウンも上質なお蕎麦のようで味は薄かったし、善し悪しはともかくそれが日本人のセンスかもしれません・・・。西洋音楽として弾くのなら日本人のセンスでない方が・・・。