シェリングの意外なバッハ演奏

土曜・日曜は東京にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。土曜日はレッスン中に近くに雷が落ちて自分自身も驚きました。今週も暑さだけでなく雷雨にもご用心してお過ごしください。

しかしトランプ大統領になりそうですね・・・。ボリス・ジョンソン元首相の言う通り戦争は確かに終わるかもしれません。原油価格も落ち着きインフレも収拾し円安も解消しそうだ。平和をもたらすのがトランプ氏とは予想外だ・・・。

Xにも書いたが、お越しの方と往年も名ヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリングについて話題になったので、改めて音源を聴いてみた。良い意味でも悪い意味でも「普通の演奏」をするヴァイオリニストで、普遍性が求められるバッハやベートーヴェンは高評価だ。

普通=下手なわけではなく、普通で非常に上手い演奏というものがあって、シェリングはその最右翼と言える。聴いて面白おかしいものではなく、ともすれば無感情な、別の言い方をすれば「神の視点」での演奏だ。その「感情を排した精神性の高さ」「俗世界を超越した音世界」がシェリングの演奏の持ち味と思っていた。

ところが2022年に公開された未発表録音集の1963年録音のバッハは、有名な1967年録音の名盤より熱気ある演奏で驚いた!こっちの方が名演奏かも。人間味があることが必ずしも良い演奏とは限らないが、多くの録音でパッションを感じさせないシェリングの意外な側面。「おー、シェリングにも感情があったのね!」。こういう発見があると嬉しいですね。

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石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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