荒れた投票所〜ヴァイオリン演奏についても連想

都知事選挙の期日前投票に最寄りの投票所へ。一部報道されているような変なポスターは(自由を奪われる結果になるだけのバカな行為だ)、うちの豊島区駒込では全然見かけず。今回の選挙について思う事は多くあれど、政治的な事は基本的に書かないようにしているのでここでは割愛。

ただ、投票所の旧朝日中学校がずいぶん荒れていまして・・・。割れた窓ガラスはテープ留め、グラウンドは雑草だらけ。緊縮財政・税金の無駄遣いを無くした結果だろうけれども、豊島区の公共施設はこんな感じが目立つ。うちの実家のような田舎ならボランティアや有志が草引きやペンキ塗りをするかもしれないが、都会のようにそこに責任を持たされるのなら誰も手出しをしない。

ヴァイオリン演奏も同じで「一音間違えたらコンサートを壊した賠償金」となったら演奏は成り立たない。「音を間違える予見性はありましたか?」で有罪になるのなら誰もやらない。大きな責任が課せられるのなら何もやらないことが一番だ。社会主義国家のスタイルだ。

うちのレッスンでは間違える事に関しては比較的おおらかにやっている(自分自身は「一音も間違えるな」で育ったクチですが)。間違えることを問題視するのではなく、間違えを繰り返さない事と間違えた原因を分かっている事。こちらは厳しくやっている。

どちらが良い結果になるのかは分からないが、自分は後者の方がトータルとして良い結果になると思う。甘いレッスンと思うのならそういう人はそれまでだ。厳しい言われ方をしないと分からないような人はヴァイオリンには向かない。民主主義といえば民主主義だ。本物の民主主義であるイタリアでこそヴァイオリンは発達したのだろう。

最も成功した社会主義と言われた日本だが、悪い意味での社会主義国家らしくなりつつ思う今日この頃。荒れた投票所にてそんな事を考えました。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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