楽器の適正価格を付ける〜値付けは知的ゲームなのです

水曜・木曜は東京にてレッスン。ご利用・お越し頂いた皆様有難うございました。お譲りすることにしている弓についてご興味をお持ち頂いた方有難うございます。

手持ちの弓やヴァイオリンをお譲りするにあたって値段を付ける必要が出た。特に骨董価値のあるもの〜今回ではフェティークとヴォアラン〜については慎重に適正価格を考えて付けた。買値ではないし何となくの勢いでも思いつきでもない。

値段が高い方が自分は儲かるし、安い方が有り難がられる気がするがそんなことはない。例えばお求めになった方が誰かに話した時に「高く買わされたねえ」と言われてはいけない。逆に、お店で「いくらで買われましたか?」(←これは当然価値判断のため)と聞かれた時に安すぎると「偽物」と判断される。どちらも買った側にとって不愉快だ。

弦楽器の世界での常識的価格でないといけない。でも習っている先生から買ったということであれば良心的価格でないといけない。そこで店頭販売価格から算出しつつコンディションも考慮しつつ少し昔のオークション価格と少し前の為替レートで計算して、レッスンにお越しの方にはよりお安くお譲りすることにした。値付けは知的ゲームなのだ。

こういった値付けの極意。10年以上もの間、毎月伺って勉強させて頂いていた弦楽器専門店にて学んだことの一つだ。適正な価値観の形成はとても勉強になった。

ところで、先日開催のサンライズオークションで出品のフェティークが今回の値付けでのイメージした価格とほぼ同じ予想落札価格だった(先の修理があるようだが、金象牙であることとのバランスで)。プロと同じ判断ができたこと。こういうのは嬉しいものです^^

TAXEという弦楽器専門店必携の本がありまして、
昔はこの本に記される価格を元に値付けされたものなのです
現代ではネット情報で相場はある程度分かるようになりましたが

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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