土曜日は東京にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。数ヶ月ぶりにお越しの方もおられ嬉しく思いました。弾き方は概ね大丈夫で私としても安心しましたが、ヴァイオリンの駒の加減はおかしくなっていたので直させて頂きました。
今回手放すことにした7本の弓のうちの最後2本についてです。たびたび恐れ入ります。これは製作者がはっきりとしたもので鑑定書付の弓です。価格は応談とさせて頂きますが、ネット上で見られる店頭販売価格の半額程度でお譲りいたします(安価にお譲りしますがそれなりに高額です。申し訳ありません)。
・ヴィクトル・フェティーク 1925 EXPO 購入店の鑑定書付 応談 売約済み
1925年のパリ万博出品のために作られた弓です。EXPO弓は通常の弓よりも上質な材料を用い、より高い精度で製作されていることが多いとされます。実際この弓も通常のV.フェティークよりも目視でも材料は良く、性能的にもオールド楽器も大音量で鳴らす力はあり操作性も優れています。購入時に比較したサルトリー以上でした。ただしあくまでもモダン弓の範疇の話でオールド弓の持つ「音の香り」はありません。
ある程度使われた弓のようですが状態は充分良いと思います。スティックの反り直しでスティックが焦げていると言われたこともあるのですが、別の弦楽器専門店の方にはそういう木材と言われました(たしかに焦げているのでは無く光の当たり具合で木目が動きます)。100年前の弓なので反り直し自体は1度や2度はされているとは思います。
悪い弓ではないし普通の意味で扱いやすい弓ですが、うちにはもっと良いオールド弓があり使用頻度が低いですので手放すことにしました。
店頭販売価格で見られるV.フェティークのEXPO弓の半額程度でお譲りします。


・フランソワ・ニコラ・ヴォアラン 1885 ギヨームの鑑定書付 応談 売約済み
最晩年のヴォアランです。鑑定書には「状態は良い」と書いてあるのですが、小指の当たる場所、フロッグの親指の当たる場所が減っていてフロッグは黒檀を足す修理をされています。状態は良いとは言い難いとは思います。スティック自体に問題はありません。
「羽のように軽い」と形容されるようにヴォアランにしばしば見られる軽い弓です。銀線のラッピングと巻皮で56g程度でしたが、私の所有になってからオリジナル状態に戻すため銀糸のラッピングにして巻皮は無くしてもらいました。結果52g程度です(このように弓の重量は売りやすくなるようしばしば加工されるもの)。
購入時に別のヴォアランとも比べていて元の音も悪くはなかったのですが、ラッピングをオリジナル状態に近づけることで音はかなり改善しました。音は良く弓の軽さに慣れれば扱いやすい弓だとは思います。ただ手持ちのオールド弓にはかなわないためうちでは使用頻度が少なく手放すことにしました。
店頭販売価格で見られる並品のF.N.ヴォアランの半額程度でお譲りします。

