GW企画7日目:変わったヴァイオリンを聴いてみよう

ヴァイオリンも歴史の中で様々な試みがされてきました。受け入れられたアイディア/淘汰されたアイディアは数多くあります。その中で、ある程度普及した形状のヴァイオリンについてご紹介したいと思います。いろんなアイディアのものが存在しますが、私自身が弾かせてもらった経験のあるものを中心にご紹介します。

シャノーのヴァイオリン。f字孔や胴体の形がだいぶシンプルですし、テールピースはほぼ無くなり、スクロールも反対を向いています。意外と普通のヴァイオリンの音です。
私が弾かせてもらったのは有名な製作者のもので胴体の形状がこういう形状でした。音はその製作家にしてはやや即物的でしたが概ね普通の感じでした。

ポシェット(キット)。ダンシングマスターとも言われるダンスの先生が使ったとされる小型ヴァイオリンです。周りの人が振り向く様子、音楽の力を感じます。
私が弾いたのはカルロ・ベルゴンツィのオールドのものと新作楽器。ベルゴンツィであっても音は良くありませんでした。ただこういう楽器でダンスが教えられたと思うと歴史が立体的になって面白いです。

ストローヴァイオリン。胴体で増幅する代わりにラッパがついています。
ご厚意でしばらく貸していただき弾いたことがあります。何とも懐かしいような哀愁ある音色&楽器の重量が重かったです。

次のものは私は弾いたことがありません。ただ楽器の歴史を変えうるものなので弾いてみたいと思います。

3Dプリンターで出力したヴァイオリン。かなり普通の音というかむしろそこそこの木製ヴァイオリンより良いかもしれません。下のものは木目やパフリングなどを印刷したものだそう。安価な楽器はこれで良いのかもしれません。

貸して頂いていたストローヴァイオリンです。皆様にしばらくご覧頂けるようにしていましたので、長くレッスンにお越しの方はご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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