ヴァイオリンの音色の香り、音楽の肌触り

日曜・月曜は愛知にて、火曜は東京にてレッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。

愛知レッスンにて夕陽が差したので撮ってみた
写真では色が再現されずですが、
ニスは「海上の夕陽」などとロマンティックに形容されるのです
実際、夕陽に当てるとニスはとてもきれいです

5倍サイズのキャラメルコーンが売っていて思わず買ってしまった。
本当に巨大なキャラメルコーンでした

Facebookに名品の音の香りについて書いた。意味不明だろうかとも思うが確かに良い楽器を弾いたり聴いたりすると香りを感じる。逆に自分にとっては香りを感じるヴァイオリンの音が良い楽器であり良い演奏だ。

ストラディヴァリは粒子の細かいわさびの刺激臭のような、グァルネリは粒子が少し荒く胡椒のような黒っぽいような、グァダニーニは甘いような、など。多く弾いた経験上そんな共通項があるように思える。この香りは安価な楽器になるほど薄らいでいく。この音から感じる香りこそが楽器の音というお話をレッスンでさせて頂いた。

ヴァイオリンには実際の匂いもある。古いヴァイオリンは香水の匂いが染み付いていることも多く、この匂いから「外国の音楽」を感じることがある。ヴァイオリンだけでなく、ギブソンのギターケースを開けると甘い香りがするし、ヴィンテージギターだとなんとも言えずクサい。そしてその匂いが音楽を想起させる。

ところで自分の車の古いアルファロメオには匂いの演出がされている。メーカー側でフレグランスを染み込ませた布が座席の下に仕組んである。ただうちのはすっかり匂いは抜けてしまっている。

自分は芳香剤や香水は苦手で使わないが、思うところありこれを買ってきた。六本木の「イタリア自動車雑貨店」さんにて。メーカー純正品は生産中止になっていて、このお店で再現をした製品。

ALFAフレグランスシート3.0という製品
ダンヒルともシャネルとも言われる香り。オヤジくさいとも

で、これを取り付けて運転をしたら大きく印象が変わった。普段なら苛立つ渋滞が余裕の気分、割り込まれても鷹揚な気持ちに。荒川沿いを走っていても映画のワンシーンのようにポー川のほとりを走っているような。

匂いは思った以上に共感覚を生むし、匂いから想起される記憶も蘇らせるようだ。実家に置いてあるアルトでもきっとそういう気分になることだろう。以前試飲した16万円の白ワインは様々なイマジネーションを呼び起こした。

別の形で自分自身が驚いた。ヴァイオリンの音色は「音を出す」ではなく「良い香りが部屋に立ち込めるように」とレッスンでいつものようにお話ししているが、音楽とは多分そういうものだと思う。音から光を・匂いを・味を、皮膚感覚も。「手触りの良い音で」もよくレッスンでお話する。そんなことを気にしてみてはと思う。