日曜・月曜は愛知レッスン。お越し頂いた皆様有難うございました。今回初めてお越しの方もおられ嬉しく思いました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
来週の予定だったギターとヴァイオリンの合奏の録画・録音。ギターの高矢さんが体調を崩されてしまい延期に。ご家族を含め体調を崩される方が続出しています。どうぞ皆々様ご自愛下さい。
レッスンにて「グァダニーニはストラディヴァリやグァルネリと何が違うのか?」旨の質問を頂いた。とても良い質問だと思う。その方にとっても大事な質問であるし、ヴァイオリン音楽の意味合いにとっても大事な質問だ。
グァダニーニ家は多くの製作家の生んだが、特筆すべきはG.B.グァダニーニ(J.B.グァダニーニとも)だ。ストラドやグァルネリ・デル・ジェスに次ぐ値段、5つの町で製作した、サラブーエ伯爵との関係、様々な製作スタイルの楽器があるなど、語ることは多いが、ここでは音と歴史上の意味についてのみ。
G.B.グァダニーニを使用する名演奏家としてユリア・フィッシャーが挙げられる。グァダニーニも少なくない数を弾いたが、フィッシャーの音は自分の知っているグァダニーニらしい音に聴こえる。
ややこもり気味の甘い音だがエネルギーは強い。弦のインフェルドブルーに対するインフェルドレッドのような音。クレモナとヴェニスを併せ持ったような音。人声のような音と言えるし、猥雑・エロティックとの表現を聞いた事もある。確かにそんなようにも聴こえる。
ストラディヴァリやグァルネリ(アマティなども)が神の世界を体現するような音に対して、グァダニーニは人の世界である点が歴史上重要だ。人間世界の最高の製作家と言えるし、音楽のあり方もこのあたりの時代から変わった。グァダニーニが居たからプレッセンダやロッカなどモダンイタリーに繋がっていったとも言える。