一枚板に価値があるわけではなく

年末とは全く関係ありませんが材料シリーズ。 合わせ目の無い一枚板の裏板に価値を持たれがちですが、全くと言っていいほど価格も音も違いはありません。

同じく「300年前の」「もう手に入らない」など材料でのアピールは聞き過ぎない方が割安に良いヴァイオリンを入手しやすくなります。

例えるなら自動車を「もう手に入らない50年前の鉄板」で作られることに価値づけするようなものです。性能に全く無関係とは言えませんし、特有の味わいが出るのかもしれませんが、性能の与える影響は非常に少ないでしょう。

ヴァイオリンについても性能の大半は設計思想であること、それからどのように作られるかなのです。演奏も同様で一定の技術があればどのように弾くかが問題になります。ハイフェッツの優れているところは技術よりも音楽の設計なのです。

石田 朋也

1974年愛知県生。2000年名古屋大院修了。ヴァイオリンは5歳から始め、1993年よりヴァイオリンの指導を行う。大学院修了後、IT企業のSEとしてNTTドコモのシステム開発などに携わる。退職後の2005年より「ヴァイオリンがわかる!」サイトを開設し情報発信を行う。これまで内外の1000人程にヴァイオリン指導を行い音大進学を含め成果を上げている。また写真家としてストラディヴァリはじめ貴重な楽器を400本以上撮影。著書「まるごとヴァイオリンの本」青弓社

美しい音が好物。バッハ無伴奏がヴァイオリン音楽の最高峰と思う。オールドヴァイオリン・オールド弓愛好家。ヴィンテージギターも好み。さだまさしとTHE ALFEE、聖飢魔IIは子供の頃から。コンピュータは30年程のMac Fan。ゴッドファーザーは映画の交響曲。フェルメールは絵画の頂点。アルファロメオは表情ある車。ネコ好き。

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